人間をゾンビっぽい怪物に変異させてしまうハリガネムシのような寄生虫(中国発)が世界中で大流行。
それをとある田舎町の姉妹からミクロな視点で見た終末系パニックホラーです。
私も寄生虫のような気持ち悪いものを観るのがけっこう好きという性分ですので
さぞかし生理的嫌悪感に満ち満ちたパニックシーンがあるのだろうと
期待して鑑賞したのですが、低予算のせいかそれほどでもありませんでした。
寄生虫感染者は耳や目からウネウネした虫を出してるゾンビといった地味な風情でしかも出番が意外と少ない。安い。ケチりすぎ。
オバマ大統領を出演させたりするから金がなくなるんですよ全く嘆かわしい。
それはそれとして、本作の見どころはやたらとエゴイズム全開な主人公の行動にあります。
女子高校生だしある程度は仕方ないかなとは思いましたが、
それにしてもあそこまで躊躇なくナチュラルに自分中心で物事を考えられるとなると、
本作の製作者もおそらく寄生虫パニックそのものよりも
自分さえ良ければ被害を拡大させることも厭わない人間の愚かさをまず見せたいのではないか
と思えました。視覚的サービスシーンがないのは多分そういうわけなんですね。
ただ主人公エマとその姉ステイシーは自分勝手であると同時に
非常に愛情深い人間としても描かれているわけで、
そこに共感できるかできないか、つまりあなたは感染を拡大させる側なのかどうか?
というのを問われているような気がしました。