"世界遺産"VS"巨大人喰いザメ!" エンタテイメント要素満載で放つ、
パニック・スペクタクル巨編!!
《動物パニック》+《世界遺産》
+
《トレジャーハント》+《銃撃戦》!!
(ジャケ裏より)
「エンタメ要素満載」とかいう前にまずジャケ裏からすでに突っ込みたくなる要素満載ですが、
特に
"世界遺産"VS"巨大人喰いザメ!" (原文ママ)のテキトーさ加減は実に荒ぶっています。
しかも「
本編97分」と堂々と記載してあるにも関わらず、実際に見てみると
本編は87分しかありません。
だから予告やあらすじならウソついてもいいけど(本当はよくない)DVD商品仕様の部分でウソをつくなと…
「97分もあるのかよ…なげーな…」とちょっと憂鬱になっていた私にとって、
10分短縮はかえってうれしい誤表記でしたが、逆だったらと思うとゾッとします。
それにしても尺をサバ読みしてどうするのか?
それとも単なるミスか?
こんなん初めて見たし疑ったことすらなかったよ。
まあジャケ裏に突っ込んでいたらいくら時間があっても足りません。
次はジャケットの表側についてです。
丸っこいホホジロザメが正面向いてお口を開けてる系のサメ映画ジャケット
…っていくつかあると思うんですよ。
こういう系統のやつね。
多分コピペだろうなと思ってたんですが、並べてみたら案外細かいところが違いますね。
だから何ということもないんですが、よく似たジャケットのせいで、
無意識下で「
シャーク・プリズン」や「
ジョーズ・リターン」と同じくらい面白い映画だろう、
と勝手に思い込んでいたようです。
映画鑑賞の際は極力前情報を断つ主義の私にこんな先入観を与えてしまうとは、サメ映画のジャケットも油断できませんね。
配給会社との盤外心理戦もある意味サメ映画の醍醐味と言えるのかもしれません。
何が言いたいかというと、つまり本作が「シャーク・プリズン」「ジョーズ・リターン」よりもはるかにひどくつまらなく虚無的な産業廃棄物に他ならないということなのですが、下手をすると、あの「
フランケンジョーズ」よりも下にランクされる可能性があるほど尋常ではない負の瘴気を放っているクソサメ映画だということです。
しかしながら、ホホジロザメの映像は本物です。
人が襲われるシーンは一瞬だけCGになったりしますが、
泳いでいるシーンは本物のホホジロザメが画面に映ります。
やはり本物は違いますね。
「ジョーズ・リターン」のようなクソしょぼいCGや
「フランケンジョーズ」のようなわけわからん合成映像を使うぐらいなら、
資料映像を切り貼りした方が効率的で安上がりに本物を見せることが出来るのです。
ちなみにストーリーの方ですが、ベネチアの地下に眠るなんとかの財宝をマフィアが探すのですが、なぜか運河にサメがウヨウヨしており手間取ります。
そこへ海洋学教授の主人公がやってきて婚約者を人質に取られ、財宝探しを強要されるといった感じの話です。
ツッコミどころは異常に多いのでとても全部には突っ込めませんが、
どうしても触れなければならないポイントは
まず「サメはマフィアが番犬として放ったもの」ということですね。
何のための番犬なのかわからんし自分が追い払われてどうする?
そしてもう一つはラストシーンの
↓
↓
エンドロール
ですね。
財宝を探してるマフィアが死んだだけで、ベネチア市民を脅かすサメは完全放置。
人命優先でサメの存在を周知すべき派だったはずの教授も、最後にはどうでもよくなっちゃってるというオチ。
サメがいるとバレたらパニックになりますからね。仕方ありませんね。
あまりにも空虚すぎるため、ベネチアの美しい風景だけが見どころだと言いたいですが、手軽にベネチア観光したいのであれば「赤い影」でも観ていた方が5000万倍有意義でしょうね。
どうしても何かほめろと言われれば、出ている女優さん2人は普通に綺麗でした。
ただし、吹き替えは凄まじく下手糞、というか投げやりです。
もしインターフィルム(発売元)の社員が吹き替えていると言われても驚きません。
これから本作を観ようとしている猛者はぜひ吹き替えでご覧ください。
あと一応、
「
ロストジョーズ」
「
デビルシャーク」
「
ケージ・ダイブ」
よりは幾分、こちらの精神をいたわってくれる気遣いのできるクソサメ映画であったことだけは付け加えておきます。
1. なんて面白い文章なんだ!
素晴らしく面白い文章です。
観たことのないクソ映画ですら、文章読むと
情景が浮かびます。
お手本にしたいです。
ちなみにワタシも札幌人です。笑
これからもクソ収集、頑張ってくださいませ。
Re:なんて面白い文章なんだ!
私のブログはまさにその
>「このクソ映画、世間はどう感じてるのヨ?」
という好奇心に応えられたらいいなと思って開設したので
私の文章でクソ映画の魅力が少しでも伝わっているのなら嬉しい限りです。
これからもクソ映画ハンターとしてクソ映画の素晴らしさをどんどん伝えていけたらいいなと思っております。
いや、別にクソ映画しか観ないわけじゃないですけどね。