製作:2018年アメリカ
発売:配信のみ
元軍人のジャックは、田舎で娘と二人で静かに暮らしていた。しかし、ビッグズ宇宙工業CEOのアレックスから「一緒に宇宙へ行かないか」などと持ち掛けられる。なんと彼は隣の銀河からエイリアンを捕らえていたのだ。しかもそのエイリアンのDNAがジャックと同じであったという。
この映画、DVDはリリースされておらず配信だけなので、現時点ではネット上にも情報がほとんど何もありません。得体が知れなさ過ぎて、金を払って観ても良いのか全然わからん。
一応見た目は、いかにも宇宙を舞台にしてますよという風のハードSFチックなビジュアルとあらすじです。
…しかし、「主演:ゲイリー・ダニエルズ」というところが大変引っかかります。
一応知らない人に説明すると、ハリウッド版「北斗の拳」でケンシロウ役をやっていた元キックボクサーです。別の意味で有名になってしまったハリウッド版「北斗の拳」ですが、彼はその後生まれた息子さんにケンシロウと名付けてしまったとのこと。日本人としては嬉しいような気もしますが、なんだか複雑です。
何にせよ、間違っても本格的ハードSF映画などに出演するような人材ではない。
とはいえ彼ももう50代後半にはなってますから、色々と試行錯誤しているのかもしれません。
↑オープニングで出てくる宇宙船。薄々予感はしていましたが、悲しいぐらいショボイ。
2018年製作の映画でこんなのを見せられるとは驚きです。
こんなのでもブラックホールを利用して隣の銀河まで行って帰って来られる超性能をお持ちだそうです。すごく胡散臭い。
しかもこれ、オープニングと終盤でチラッと出てくるだけで、あとはSFっぽい画面はほとんど何もありませんし、当然のようにゲイリー・ダニエルズも宇宙へ行ったりしません。これを作ったビッグズ宇宙工業CEOはゲイリー・ダニエルズを宇宙に連れて行こうと懸命に説得するのですが、やっぱり行きません。
ゲイリー・ダニエルズは宇宙旅行へ勧誘されてる合間にも謎の武装集団に襲われたりするんですが、何ゆえ襲われたのか最後まで観てもさっぱり分かりませんでした。
ビッグズ宇宙工業CEOはなんでそんなにゲイリー・ダニエルズを宇宙へ連れて行きたいのか?
というのは、一応ストーリーの核心部分であると思われるのですが、全く持って毒電波か何かとしか言いようのない奇怪極まりない内容です。
何でもビッグズ工業が
隣の銀河からかっさらってきた劣化アバターみたいなエイリアンのDNAがなぜかゲイリー・ダニエルズと同じだったから。
ってことなんですが、なんかそのエイリアンが言うには、自分は
宇宙中から集めた優秀なDNAを元に作られた存在で、開発者は愛情深く思いやりのあるゲイリー・ダニエルズに特に目を付けたからそうなったとか何とか。
これほどわけのわからねえ話は初めて聞きましたが、要するにゲイリー・ダニエルズのDNAが宇宙一優秀だったという理解でいいんでしょうか。
↑だから何なのか分かりませんが、クライマックスはこの奇怪な装置で改造人間にされたマッシブな男とのバトルになります。
何ゆえ戦う必要があるのかも全く分かりませんが、すごく短いライトセイバーみたいなのを持って襲ってくるコイツとゲイリー・ダニエルズとの死闘はそれなりに楽しめないこともないこともないです。というか本当にゲイリー・ダニエルズの後ろ回し蹴りぐらいしか見どころらしきものはないです。
…ということで、本作には正真正銘超絶劣悪毒電波全開超糞映画の烙印を押しておきたいと思います。
ゲイリー・ダニエルズというナイスガイが出てはいますが、Z級に片足突っ込んでるぐらいの貧乏臭さ。効果音とか無駄にデカくてビックリするし色々と素人臭すぎます。たとえ彼の熱狂的なファンであってもこれはキツいのではないかと。これを観るぐらいならハリウッド版「北斗の拳」を見直した方がいくらかマシでしょう。
金を払って見てしまった人にはご愁傷さまとしか言いようがありません。
私以外に果たして何人いるものか想像もつきませんが。