変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。 主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め
製作:2018年イギリス
発売:トランスフォーマー
エレノアが目を覚ますと真っ白な立方体の中にいた。難解な質問を投げかけてくる謎の声。突然くそ暑くなったり冷え切ったりする室温、床を流れる電流、天井からしたたり落ちてくる酸、そして乱入してくるゾンビ。エレノアは数々の拷問に耐え、生きて脱出することが出来るのか。
「目覚めたら、見知らぬ部屋に監禁されていた」
…というオープニングもあまりにも使われすぎて、もはや陳腐、食傷を通り越してさぶいぼが出てくるレベルになってきました。使いやすいのは分かりますが、そろそろ規制した方がいいんじゃないかと思います。
とはいえ、本作の場合謎の部屋でのトラップ回避&サバイバル劇がメインというわけではないので、わりとすぐにネタバラシが入ります。近い将来のイギリスで反乱が起きて内戦状態になり、政府が反乱軍の捕虜を相手に非人道的な人体実験を行っているという話です。人体実験というのもあまりにもありがちすぎて、これなら本家キューブのようにバラさない方がまだマシですね。
古い食肉加工場をリフォームして作られたIoTマンション「フェアモント・ロフト」。入居者も順調に決まり、オーナーのアレックスは幸福の絶頂にいた。しかし、その食肉加工場では牛だけではなく人間もシメられていた過去があった。食肉加工された者の怨念がAIとアレックスを乗っ取り、何も知らない入居者の肉を狙う。
またAIの反乱ものか、と思ったらそうではなくオーソドックスな幽霊屋敷もの。AIと言っても音声で設備を操作する程度なのでタイトルにするほどAI要素はないです。
どうせなら「呪縛の肉牛マンション」にすれば良かったのに。
表面的には、3人家族の父親が憑りつかれて殺人鬼化していくってことで若干「シャイニング」っぽさを感じます。
殺人が行われていた食肉加工場をIoTマンションにリフォームして自分も住むという神経が理解しにくいところですが、個人的には「実は殺人が行われていた」という要素はいらなかったのではないかと思います。
というのも、序盤~中盤で起こる怪奇現象が主に「TVやモニターに恨めし気な肉牛が映る」ことなので、別に殺された人の怨念じゃなくても「肉牛の怨念」に特化した方がユニークで良かったと思うんですよね。ただその場合、牛肉を食べにくくなるというデメリットが発生しますが、まあ肉を食べる時に少しは殺された動物に想いを馳せることが現代人には必要かもしれないという気もしますし。