ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

キューブ:ホワイト 感想



製作:2018年イギリス
発売:トランスフォーマー

エレノアが目を覚ますと真っ白な立方体の中にいた。難解な質問を投げかけてくる謎の声。突然くそ暑くなったり冷え切ったりする室温、床を流れる電流、天井からしたたり落ちてくる酸、そして乱入してくるゾンビ。エレノアは数々の拷問に耐え、生きて脱出することが出来るのか。














「目覚めたら、見知らぬ部屋に監禁されていた」
…というオープニングもあまりにも使われすぎて、もはや陳腐、食傷を通り越してさぶいぼが出てくるレベルになってきました。使いやすいのは分かりますが、そろそろ規制した方がいいんじゃないかと思います。


とはいえ、本作の場合謎の部屋でのトラップ回避&サバイバル劇がメインというわけではないので、わりとすぐにネタバラシが入ります。近い将来のイギリスで反乱が起きて内戦状態になり、政府が反乱軍の捕虜を相手に非人道的な人体実験を行っているという話です。人体実験というのもあまりにもありがちすぎて、これなら本家キューブのようにバラさない方がまだマシですね。





しかし、イギリスでの内戦というのがちょっと引っかかります。これはブレグジットについて大英帝国民の意見が激しく対立している現状を反映した映画なんでしょうか。若年層と中高年との間で特に意見が割れているらしく、それが元で断絶気味になってしまった家族も少なくないとニュースで見ました。一昔前なら内戦に発展してもおかしくないほどの情勢なのかもしれません。





政府側の人間の身内が反乱軍に参加して戦死してしまい、憎しみが憎しみを呼ぶ内戦の不毛さを描こうとしている雰囲気もあり、際立って高いクソ映画率を誇る「キューブのパチモン」シリーズの中では一応まだマシな部類かなという気はします。具体的に言うと、「ザ・キューブ  ファイナルトラップ」よりは圧倒的に面白いと言えますが、「キューブ:レッド」と比べると激しくいまいちに感じます。まあ「ファイナルトラップ」よりつまらない映画を作れと言われてもマーク・ポロニアクラスの達人にしか成し得ない仕事かとは思いますが。





主演は大英帝国が誇る超名作ホラー「ディセント」に出ていたショーナ・マクドナルドという人ですが、肌は汚いし目つきは気持ち悪いしで別人のように見えます。そういう役柄なのでむしろ賞賛すべきポイントなんでしょうが、昔と違いすぎて複雑です。名前表記も前は「シャウナ」だったんですがいつの間に変わったんでしょうか。ただ、ゾンビと格闘する場面はディセントの経験を生かした迫真の演技。この世界観でなんでゾンビが?とは思いましたがそこは酸と薬物でむりやり製造してました。公式のあらすじには「立方体に閉じ込められていた男女3人」とあるのですが、何気にそのゾンビも頭数に入れられていてちょっと笑えます。





特に見どころらしい見どころもないんですが、低予算のわりにグロ・流血表現は思ったよりキツイものがあります。時間を惜しんで晩ご飯を食べながら観ていたら気持ち悪くなってしまいました。とは言ってもスプラッター好きに訴求するほどのもんでもないし微妙すぎて今回はオススメできる層が思いつきませんでした。


 

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B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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