製作:2018年イタリア
発売:トランスワールドアソシエイツ
ローマでは移民反対の抗議集会が盛んに行われていた。エンリコもそんな集会に参加して移民反対を叫ぶ若者の1人であった。しかし集会は突如ゾンビに襲われ、そこら中にゾンビが溢れる危険地帯と化す。エンリコは移民収容所へ助けを求めて入れてもらうが、イタリア人に対する周囲の視線は冷たい。エンリコは差別主義者であることを隠し、不法入国者たちに受け入れてもらおうとするが…
一応ゾンビ映画の体裁をとってはいますが、ゾンビ映画としての味はかなり薄目で、それよりイタリアにおける移民難民問題を皮肉たっぷりに描いた社会風刺映画でした。
イタリアのホラー映画と言えばルチオ・フルチやダリオ・アルジェント、ミケーレ・ソアビなどが活躍していた1980年代くらいまでは日本でも人気があり、活発に輸入されていました。しかし彼らの後に続く者がいなかったと見え、あの毒々しく即物的な刺激に満ち満ちたイタリアンホラーやジャーロもすっかり目にしなくなりました。この現状はイタリア悪趣味映画愛好家としては非常に寂しいものがあります。
なので、私もその手のイタリア伝統文化の復権を願って本作をレンタルしてきたわけなんですが。