変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。 主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め
製作:1978年アメリカ
発売:キングレコード
あらすじ:ある日突然、トマトが人を襲い始めた。
もう2019年です。
この映画が公開されてから40年も経ってしまったというわけですね。
クソ映画マニアでは知らぬ者がいないほど絶大な知名度を誇る不朽の駄作…
ですが、私は「アタック・オブ・ザ・キラードーナツ」の時にも述べたように、すでに語り尽くされたであろう本作をわざわざ観る必要は無いと思っており、今までずっとスルーしつづけてきました。
…が、今日は特に観る物が思いつかなかったのでつい何となく観てしまいました。
「ケチャップない?」
一言で全てが水泡に帰す。
この後彼は一体どうなってしまうのか!?
とワクワクしてたら末路は普通に省略されました。
↑全く知らなかったのですが、本作はどうやらミュージカル映画でもあるようです。
急に歌って踊り出す場面が3回もあります。
私はミュージカルという分野の芸術を全く解さない人種なので
急に歌って踊り出されるとひどく戸惑ってしまいます。
まあ、ミュージカル好きな人でも戸惑うような内容ですが。
ただ、本作はBGMの出来だけは良いと思います。
一度聴いたら絶対忘れられない主題歌のインパクトも相当なものだし、
アクション(?)シーンで流れるジャズ調のBGMも普通にクオリティが高い。
もしサントラが存在するならちょっと欲しいかもと思わせるだけのパワーはあります。
↑本作がいくら酷くてもいまいちZ級に見えにくい根拠として、
エキストラが非常に多いというポイントが挙げられます。
21世紀のZ級映画は大抵の場合出演者が異常に少ないですからね。
出演者総勢3~5名というのも珍しくないのがZ級の世界。
しかるに、本作ではこんな大勢がトマトから逃げたりトマトを踏み潰してくれるなんて、
莫大な手間と予算がかかっているように見えてしまいます。
↑殺人トマトの弱点は、「思春期の恋」なる歌であった。
それを大音量で流すことによって人類は殺人トマトを撃退。
しかし、一部の頭の良い殺人トマトは耳当てで対抗してきた。
…ここは文句なしにZ級ですね。
どうしてこんなしょうもないクズ映画が40年以上にも渡り
人気を維持し続けることが出来たのか。
例えば、宝くじか何かで10億円当たったら…
または、実は自分が大富豪の跡取りであると発覚して
1000億円もの資産が突然転がり込んできたら…
殺人トマトが襲ってくる映画を撮ってみよう、などと思うか?
という話です。
絶対に誰も撮らない。
どんなに金と時間が余っていたとしても。
しかし、製作・監督・脚本・編集のジョン・デ・ベロとかいう野郎は
おそらく大富豪でも何でもないにも関わらず、
殺人トマトの襲撃をモノにしてしまった。
この世にこんな行動力のある馬鹿がいたなんて…
そこら辺が、本作が今なお固い支持を得る理由なのではないでしょうか。
そのジョン・デ・ベロ監督の親友か何かであろう家具屋の宣伝テロップが
たびたび入って来るのがまた笑いを誘います。
本編にCMを入れちゃった映画など前代未聞ではないですか。
それにしてもソファが5ドルとは…1978年とはいえ随分安いな。