うーんこのクソ映画……どうしてくれよう。
どうやらカナダ産の映画らしいです。
アメリカ産と違って、バカな若者を描いていてもどこか冷めた雰囲気が
あるような気がします。風景も荒涼としているというか…。
アイス・ジョーズ、雪の中を泳ぐサメ。
スキー場の客が襲われる…。
奇抜と言えば奇抜ですが今となってはそれほどでもありません。
作中でサンドシャークに言及していたので「
ビーチ・シャーク」フォロワーのようです。
あの映画はコリン・ネメックの役が唯一最大の見どころでしたがこっちにはそういう面白キャラがいません。
なので「アイス・ジョーズ」には何も見どころがありません。
まあスキー場の悪徳監視員は若干狙ってる感はありましたが…。
ちなみにこのアイスジョーズ、「山の神 スカッカム」という精霊とのこと。
霊体なので物理攻撃が一切通用しません。
つまり本作に触発されて「
ゴースト・シャーク」が作られた可能性があります。
新しいアイデアが連鎖反応を起こして今日のサメ映画界の隆盛があるわけですね。
そう考えるとこのクソ映画にも存在価値はあったと言えなくもないかもしれません。
スキー場で行方不明になった弟を探す海兵隊員が一応主人公ですが、
それ以外にも無駄な登場人物が一杯出てきます。
彼らがスキー場で遊んでるシーンが異常に長く、しかも素人のホームビデオみたいな低クオリティ。これぞC級映画の醍醐味(?)です。
…しかし、長いと言っても限度があります。
本作、尺は82分しかありませんが、60分を過ぎてもまだバカな若者が遊んでるシーンばっかりという有様。
どういう構成なんだよ…いい加減眠くなるぞ…。
そういえば「
新プレデター 最強ハンター襲来」でも似たような尺の配分でした。
あれもカナダ産の映画だったな…。
基本的にバカな若者が遊んでるシーンばかりで虚無的な内容ですが、
一応ストーリーらしきものを抽出してたどると、
「アイスジョーズの存在に気付いた人がスキー場の閉鎖を訴えるが、オーナーや町長が『観光収入がなくなったら困る』と突っぱね、そしてパニックに…」
という、
それまだやんの?としか言いようのない毎度毎度おなじみテンプレート展開です。
まあ、パニックというほど人が出てきませんけどね。
ここまでダルいと「ジョーズの劣化コピー」どころか
「ビーチ・シャークの劣化コピー」という冗談のような悪夢的表現も決して過剰とは言えないでしょう。
舞台がビーチからスキー場に代わって、コリン・ネメックを抜いただけ。
アイスジョーズのCGはクソ映画にしてはなかなかの高クオリティではあります。
ただしいかんせん出番が少ない。
ごく一瞬だけ姿を現して人知れずスキー客に食らいつくばかりで
まともにその姿を拝めるのはラスト10分くらいになってからです。
丸のみばかりではなく食いちぎったりするのでゴア描写はそれなりに努力の跡が見受けられますが。
…基本的にこのブログではラストのネタバレはしないことの方が多いのですが、
本作はラスト以外に語るところがほとんどないので仕方ないからネタバレします。
なんで山の神スカッカムが現れたのか?
というのは祭られているトーテムポールが倒れたからなんですが、
じゃどうやってオチを付けたのかというと
トーテムポールを直したら消えましたという話。
しかも主人公たちが与り知らぬところで面識もない旅行客がなんとなく直しただけ。
なんじゃそれ…。
しかもそれを10分ぐらいかけて延々と直してます。ただ立てるだけなのに。
みんなやる気のない演技をしてる中、必死に戦ってる感を出していた海兵隊員の人が実に哀れです。
彼の努力は事態の解決に何ら寄与していなかったというむなしさ。
こんな脱力系のオチはなかなか見られませんよ。
あとスタッフロールの後に何かセリフがあったけど意味不明でした。
…続編作りたいのかな?
結論として、本作は
ロスト・ジョーズ以上、
ジュラシック・シャーク未満、ぐらいの評価ですかね。
アレよりつまらねえとかマジかよ?と思う方もいるかもしれませんが、
若者がスキー場で遊んでるのと、女子高生が池で遊んでるのとどっちが退屈かは好みとしか言いようがありません。
どの底辺サメ映画を観ようか悩んでいる人は好きな方を選んでください。