「★愛され続けて29年― エイリアンとともにSF界を牽引するキャラクター
≪プレデター≫に新種が登場! !
1987年 アーノルド・シュワルツェネッガー主演で大ヒットした「プレデター」、
その続編で舞台をLAに移した「プレデータ2」、「エイリアンvsプレデター」等に
登場した各種≪プレデター≫たち…
プレデター・ウォーリアー、プレデター・ハンター、エルダー・プレデター…
その種類には多種にわたる! 様々な人気種が次々生まれてきた≪プレデター≫に遂にニュー・タイプが登場! !
(amazon内容紹介)
いや…こういうのっていいんですかね?
どこをどう見ても本家のプレデターとは何の関係もないただのC級映画なんですが、
こんな堂々とした紹介文じゃシリーズ最新作と誤認してしまうじゃないですか。
…いや、さすがに騙される人なんているわけないと思ったんですがどうもアマゾンのレビューを
見ると普通に誤認している人もいるようです。なんてこった。
毎度毎度不思議ですがどうしてこういう映画が日本に入ってくるのか、
そしてどうしてパチモンの装いをさせられてしまうのか…
…まあ、金出してでも見ちゃう人がいるからですね。私のような好事家が悪いんです。すいません。
それはともかく、これは本当に酷い邦題ですね。
「新プレデター」はまあ百歩譲って許しますよ。けど、「最強ハンター襲来」はないでしょう!
最強でもなければハンターかどうかも怪しいし。
これちゃんと中身観てればこうなりますよ。
「新プレデター サイコなチェス名人襲来」
ってね…
こっちの方が逆に見てみたくなりませんかね?
内容は、カナダ北部の森林でダグというオッサンが一人でサバイバル番組を撮影していたら
チェスの得意な新プレデター(※異星人)が襲来してくるというだけの話です。
なんでチェスが得意なんだ?なんかのメタファー?
これカナダ映画なんですね。カナダ人もこんなとぼけた映画を撮るとは知りませんでした。
とはいえ、アメリカ人と違って根がマジメなのか、うわべの雰囲気は実に堅苦しいです。
ナショジオかディスカバリーチャンネルでやってそうなサバイバル番組の風景をリアリティたっぷりに1時間見せてくれます。
1時間です。
…この映画の尺は1時間25分です。
スタッフロールを除くと1時間20分切ってます。
なのに、新プレデターが姿を現して襲ってくるのは1時間が過ぎてからです。
これは ひどい!
…思わずそうつぶやいてしまいますが、サバイバル番組にも一応見どころはあります。
全てオッサンの一人芝居ではありますが、本当にそういう番組を見ているかのような気分にはなれます。
空き缶を使って火をおこしたり、ウサギを罠でとらえ、解体して食べたりとかします。
リンゴをエサにして、平べったい石に木でつっかえ棒をしておく原始的な罠で
ウサギを2羽捕らえ、1羽は解体しますがここは実物にしか見えないリアリティです。
気持ち悪くて目をそらしかけました。この映画最大のゴアシーンですのでご注意ください。
ちなみに、人間はこうしてウサギを解体するけど、新プレデターは人間を解体しますよ!的な演出に見えましたがどうやら気のせいでした。
残ったもう1羽は食いきれないので次の日までオオカミに奪われないように木に吊るします。
これも、人間はウサギを吊るすけど新プレは(略)
ところが、翌朝になると吊るしていたウサギがありません。
オオカミの仕業ではない。では何者が!?とオッサンがいぶかしみます。
新プレデター(最強ハンター)のやることにしてはみみっちい。
おまけに罠にかかったウサギまで横取りされています。
…これではハンターというかハイエナです。
しかも罠のうち1つはかかったと思いきやウサギの姿が無く、代わりに蛍光塗料っぽい体液が残されていました。
…
…いや、リンゴ取ろうとしてケガしたの?新プレデター(最強ハンター)が?
オッサンの周囲に何やら不気味な存在がいるという演出は序盤からありましたが、
不気味な存在というより変なマヌケがいるという空気になってきました。
そして、オッサンはヒマつぶしに一人チェスを楽しんでいたのですが、
出しっぱなしにしておいたチェス盤がいじられていました。
しかもなんかすごい神の一手を指してきたらしいです。
しかも2日連続でです。どれだけチェスに執着してるんだ。
そして火を起こすのに使った空き缶が握りつぶされており、オッサンは動揺します。
「サイコなファンかな?」と…。
チェスが強いが、原始的な罠に気付かずリンゴを拾い食いしてケガをするようなヤバイ奴がいることを知り、オッサンは5日間の予定だった撮影を中止してスタッフの待つベースキャンプへと退却しようとしますが、何だかんだ迷って岩場でもう1泊します。
が、今度はオオカミが殺されているのを見て、相手の戦闘力の高さに恐れおののきます。
そしていきなりなんかよくわからん衝撃波を食らって数十メートル吹っ飛ばされました。
ちなみにこのダグというオッサンはサバイバル術やゲテモノ食いには長けていますが、線が細くて弱そうです。…と思ったんですが脱いだら滅茶苦茶マッシブでした。着痩せするタイプですね。このオッサンも相当な戦闘能力をお持ちの様子。
もう撮影どころじゃない!と、長かったサバイバル番組もようやく終わり、そろそろ新プレデターとのバトルかな?
と期待に胸を膨らませていると、オッサンはベースキャンプまで一気にダッシュ。
が、勢い余って穴に落っこちて失神してしまいます。
いや、もう残り時間少ないんだけど何やってんの?と別の意味でハラハラしますが
これも伏線なので仕方ありません。
ようやく目覚めてキャンプへ戻ると、スタッフの一人が木に吊るされていました。
そしてようやく襲ってくる新プレデター(最強ハンター)!!!
何やらドクロのような顔つきで、シャキン!と頭からトゲトゲを出します。
だっせぇ…
とか言ってはいけません。
いけませんが、2分くらいでさっきの穴に落とされ(伏線回収)、石を投げつけられて
オッサンに敗北します。
おいおいいくらなんでも弱すぎるだろ…?
1時間以上引っ張って2分でやられるの?
しかもオッサンにはチェス大好き野郎だと思われているのでオトリにチェス盤を投げる
というしょうもないシーンまであります。
これがカナディアンジョークというやつでしょうか?
とはいえ、さすがにこれで終わりというわけにはいきません。
傷を負った新プレデターがボートで逃げようとしたオッサンに再び襲来します。
が、今度はボートのスクリューで瞬殺されます。10秒 もかかってません。
「サイコなチェス名人」どころかストレートに「最弱ハンター訪問」でもいいくらい弱い!
最後には群れで襲来してきたっぽいですが特に人類の脅威となることはないでしょう。
というわけで新プレデターの出番が2分ちょいしかない
というのが不満ですがそれを除けば好事家的にはなかなか面白い作品でした。
…しかし、異星人のくせに本当になんでチェスが得意だったんでしょうかね。
気になって夜も眠れません。