「大学生4人で廃墟の街に遊びに行ったらオオカミに襲われた」系の話です。
ジャケットでは非常に機嫌悪そうなオオカミがシワを寄せていますが、
実際は普通にカワイイ犬が駆け寄って来たりジャレてきたりするだけの
実に微笑ましい犬ムービーとなっております。
CGの類は一切使っておらず、出てくるオオカミは全部よく訓練された犬です。
人間よりも演技が上手いのではないでしょうか。
俳優は4人だけ、舞台は廃墟だけ、というものすごい貧乏映画ですが、
脚本は一応そこそこまともに出来ており、おかしな会話などはなく安心して観ていられます。
ただ主人公が全ての元凶のわりに、ピーピー泣いたりヒス起こしたり代案もなく反対ばかりしたりとかなりのクソ野郎なのでそこはイライラしますね。
他の3人が普通に良い人なだけによけい腹が立ちます。
まあ人間などどうでもよく、この映画の見どころはオオカミの演技をしている犬。
その一点のみです。
賢そうでカワイイ犬たちですね。
この後尻尾振って寄ってきますよ。
CGを使っていない関係上、人間を襲うシーンを直接描写することは出来なかったようで、
ただジャレついてるところを激しい手ブレカメラでごまかすか、
もしくは見えないところで噛みつかれたことにするか、
あるいは人形に噛みつかせるかの3パターンが使われています。
ちなみに殺された人間はあまり真剣に死体役をやる気が無いのか息を止めていません。
で、オオカミが人間を襲うところはそうやってごまかせますが、
人間がオオカミを殺すシーンは相当難しかったらしく噴飯物の出来になっています。
クソ映画的にはここはかなりの見どころですよ。
↑まずオオカミを撲殺する人間様の図。
不自然にカウンターの影に隠れて見えません。
↓そしてこれがオオカミの死体…のつもりらしいです。なんと寝そべっている犬の静止画像。
「言った通り ただの犬だ」
そうですね。ただの犬ですね。
↑同じオオカミの死体です。こっち見んな。
どう見ても生きてる というかくつろいでるし、なぜかさっきと向きが変わってます。
コレを静止画にしただけで死体と言い張るところがさすがC級映画ですね。
人間の死体は呼吸してるし、オオカミの死体は寝てる犬の静止画だしで
観客としてはもはやほのぼのするしかない状況。
しかし、作中の学生たちは恐怖におびえまくっています。
モフモフ撫でてやればいいじゃねーか!代われよ!と言いたくなりますが
一応アニマルパニック映画なので仕方ありません。
いつものようにダイナマイトで爆発オチです。
これだと犬が死ぬ場面を映さなくて済みますしね。
まあアニマルパニック映画としてみると一山いくらのクソ映画には違いないです。
しかしその辺の「犬映画」って「HACHI」とか「星守る犬」みたいなお涙頂戴の感動モノばかりというイメージがあるので、お涙頂戴は嫌い。でも犬が好き!という方ならば大いに観る価値のある犬映画と言えるかもしれません。
かなりニッチな隙間を狙った(?)犬映画ですがそういう人にはオススメです。