どうせつまらないよなあ…
PSストアでも アマゾンプライムでも無料配信しまくってたし…
と思ったんですが、
前日に観た「
アイス・ジョーズ」がひどかったのもあり、
ハードルを下げまくって鑑賞したのが良かったのか案外楽しめました。
何といっても、素人臭くないのが良いです。
監督も俳優もスタッフもちゃんとプロの仕事をしています。当たり前のようですがサメ映画ではこれが当たり前ではありません。
サメ映画の中では中の上、もしくは上の下と言ってもいいくらいのクオリティはありました。
原題が「シャークアイランド」なので、本当にゾンビサメなんか出てくるのか…?
などと前提すら疑って鑑賞しましたが、さすがにそこはきちんとしていました。
サメに噛まれたサメがゾンビシャークとなり、サメに噛まれた人間はゾンビとなってくれます。
しかし、当たり前ですが「人間がサメに噛まれる=食われる」なので死体が残ることはあまりなく、ゾンビ化という個性はさほど特徴的とは言えない気がしました。
サメのCGはまあまあ良く出来ているうえ、全編通してバンバン出てきます。
しかもCGだけではなく、アニマトロニクスを駆使しているシーンすらあります。
人間もガンガン喰い散らかすのでこの手のサメ映画に求められている要素はしっかり満たしてくれていると言えましょう。
「そんなの当たり前じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが以下略。
「バーのオーナーと従業員3人がレッドプラム島という貧乏臭い観光地に遊びに来たら、
近隣の研究施設から逃げ出したゾンビシャークに襲われ、感染拡大」
という筋書きです。
この手のサメ映画では大抵ストーリーはどうでもいいものなんですが、
本作は人間ドラマも割りとしっかり描いており見ごたえがないこともないです。
主人公の姉妹と、本土で彼女たちを案ずる両親に複雑な確執があり、キャラクターのバックグラウンドを無駄にしっかり作り込んでいます。
サメパニックに陥りながらも「過去に何があったんだろう…」と
観客に興味を抱かせる程度にはよく出来ていました。
まあ、これも尺稼ぎには違いないのですが
素人のホームビデオで間を埋めるよりも
三文芝居でもちゃんとした人間ドラマで埋めてくれた方がありがたいものです。
元凶となった博士や事態の収拾に当たる元軍人なども
そこそこ有能かつ善良なので安心して観ていられます。
面白黒人が島の荒くれもの共を率いてゾンビシャーク軍団に
集団戦を挑むなど、派手で楽し気なシーンも結構あるので
モンスターパニック好きを飽きさせることはないでしょう。
…とはいえ本作、オチがあまりにもぶっ飛びすぎていました。
研究所にゾンビシャークを誘導して集め、いつもの爆破オチをやろうとするのですが
「人類最後の希望であるワクチンを忘れてきた」と博士があり得ないミスをやらかしてからの
トンデモ展開のたたみかけに我が目を疑いました。
いや…あれだけサメ映画らしからぬ繊細な人間ドラマを展開してきて
そんなオチにするの?と開いた口がふさがりません。
家族間の確執がサメ退治によって何らかの決着をみるのかと思いきや
あれではますます確執が深まるばかり、というかその後どうなったのかがサメより気になるぐらい勢いよくぶん投げられています。
…結構ほめてる感想になってますが、87分の割りにかなり長く感じたのも事実です。
「良く出来たクソ映画」というのが正しい評価かもしれません。