かなり珍しい、ブラジル産のスラッシャーホラー映画です。
タイトルやジャケでも分かるようにバイクでの追走劇をメインとしているところもスラッシャーものとしては珍しい。
内容としては、若い男女のグループが保護区の壁を壊して侵入しツーリングを楽しんでいたら、
黒ずくめの謎の殺人バイカー4人組に追われることになる。
…というだけ。
意図してのことでしょうが本作はセリフが非常に少なく、人間ドラマなどあって無きが如し。
主人公側のメンバーも殺人バイカーたちも何者なのか最後まで全く分かりません。
なので、観客としては単にクモの巣にかかってしまったバッタを眺めている時のような気分になるだけです。
(弟想いの兄貴だけはちょっと応援したくなるキャラクターでしたが)
手の平の火傷の模様など、謎めいた思わせぶりな描写も結構あるものの、
おそらく考えるだけ無駄だしバイク映画でもあるわりにスピード感に欠ける
マッタリ進行など、あまり楽しい映画ではないように思えます。
演出的には芸術映画寄りな雰囲気を感じるけどいきなりババーンと死体を映したりとしょうもないホラー演出も気に障る。
しかし本作にはそんな欠点を補って余りある…
というほどでもないけど、美点もありました。