2002年アメリカ映画。
スティーヴ・オルテンの超面白い小説「メガロドン」の映画化の話はだいぶ以前からありましたが、なかなか実現することなく時が過ぎ、ようやく今年の9月に「
MEG ザ・モンスター」という邦題で公開が決まりました。待ち遠しくてたまりませんね。サメ映画界におけるメガロドンブームも去って久しい今日この頃ですが、そんな「MEG ザ・モンスター」にそなえ、9月までには過去の主要なメガロドン映画を全て見直して万全の態勢を作っておきたいと考えております。
すでに当ブログでは
「
シャーク・ハンター」
「
ディープ・ライジング コンクエスト」
についてウダウダと書きなぐっておりますが、
これらはどれも同じ2002年に製作されたメガロドン映画です。
2002年に一体何があったというのか?
はともかく、私も当時に全部鑑賞済みではありますが
本作「メガロドン」に関してはスティーヴ・オルテンの小説とは全く別物なのに、同名のタイトルだったせいで勘違いしてDVDを購入してしまいガッカリした記憶があります。
買うほどのもんでもなかったという後悔。まあなぜか本作のDVDにはプレミアがついたりしましたけども。
ストーリーは「海底油田の掘削をしていたら岩盤の下に巨大な空間を発見。そこには古代生物がウヨウヨしており、大発見に喜んだのもつかの間、古代の超巨大ザメ・メガロドンが採掘基地めがけて突進してきたのであった…」という感じです。普段だと単なる古代サメ復活のきっかけでしかない油田採掘業者たちが主役を兼ねているというのが珍しいポイントですが、それ以外は一見ごくオーソドックスなサメパニックもの。
ですが、そんなことより本作の特徴は「異常なほどCG使いまくり」という点にあります。
監督のゲイリー・J・タニクリフという方がそっち畑の出身らしく、実写で演出するのが不可能なシチュエーションてんこ盛りのシナリオをCG感全開で実現。油田掘削基地、ヘリ、雪、海面、海中、サメ、潜水艇、ボート、これら全部CGです。もう人間もCGで良かったんじゃないかなと思えるほどにCGまみれ。
まだそれほどB級映画に免疫がなかった頃の私は「ヘボイCGばっかで全然面白くねえ!」などと憤慨した記憶がありますが、あれから十数年、2018年の今本作を見直してみるとむしろCGの出来の良さにいたく感心してしまいました。つまりCGに関しては2010年代以降のサメ映画は全然進歩してません。CG以外も進歩してないかもしれませんが。
↑当時はヘボくて萎えたが、今見たらむしろいいじゃん!と思える出来のCG。
もっとヘボいCGにすっかり慣らされてしまったサメ映画マニアの成れの果て。
しかしCGは良いとしても本作にはもう一つ大きな問題があります。
それは92分の尺の中でメガロドンが姿を現すのが50分を過ぎてから、ということ。これは遅い。
50/92なら大したことないじゃん?
と思うかもしれませんが、本作はエンドクレジットが異常に長く、
本編は実質79分です。つまり50/79分。
まあ、前半50分も眠りに落ちるほどかったるいわけではないのですが、
何回見てもすぐ忘れてしまう程度には薄味ですからね。
メガロドンが出てきてからの展開はシンプルながら
スリリングで燃える戦いが繰り広げられるだけに惜しい。潜水艇での追っかけっこはなかなか手に汗握るクオリティ。
02年当時は、「シャーク・ハンター」や「ディープ・ライジング コンクエスト」よりも界隈では評価が高かったような気がしますが、確かにそれも納得の佳作です。
16年製作の「
ディープブルー・ライジング」よりもCGの出来が遥かに良いし、
ましてや面倒な舞台設定を避けて田舎の湖を舞台にしているような手抜きサメ映画とは比べ物にならない面白さ。
個人的には変な尖り方をしている「シャーク・ハンター」の方が好みではありますが客観的に見ればこちらの方が上。
「MEG ザ・モンスター」に興味を持ち、「メガロドンって何なの?」と思ってしまったようなメガロドン映画ビギナーの方はまずこちらをご覧になってみてはいかがでしょうか。