2014年アメリカ・中国合作映画。
太平洋上のとある小さな島からシンガポールへ向かう航空便。
夜になり天候が荒れだした頃、キャビンアテンダントの1人が血まみれで発見される。
なんと毒のツメを持った謎の哺乳類らしきモンスターが襲撃してきたのであった。
「モンスター・フライト」って一体どんなモンスターが出てくるのかな?
というのがお楽しみな本作ですが、1時間26分の映画だというのに
1時間10分を過ぎるぐらいまでモンスターの姿が画面に全く映りません。
いくらなんでも出し惜しみしすぎ!
でもその割にジャケットにネコ画像のせちゃってるから、
一体何が襲ってきているんだ…!? というサスペンスを味わうことも出来ません。
それにしても、たかがネコ1匹をあんなにもったいぶるとは…。
ネコ型モンスターを出し惜しんでいるとはいえ、本作はそれなりのチャイナマネーが注入されているのか
CGの出来は良いし、出演者は美男美女ばかりだし、人間ドラマもそれなりにボチボチ退屈しない程度にはよく出来てます。
姿なき襲撃者に一人また一人と殺されていく段階で
乗客たちが仲間割れしたりなんなりとお約束的航空パニック描写に終始するわけですが、
やはりネコ型モンスターがなかなか出てこないと
地味にもほどがあります。
機内のセットは基本的に微動だにしないのでほんとに飛んでるのかどうかすら疑わしく見えてきますし、殺された人間も死因が毒によるものなので、ネコっぽい引っかき傷や噛み跡が残ってるだけなのでスプラッター度も低い。
なんでそんな毒ネコモンスターがいるのかという理由付けも掘り下げもテキトー極まりない。
そんでもって毒ネコモンスターとまったく関係ない部分なんですが、
台風のせいでシンガポールに着陸できず、
仕方ないからタイのプーケットまで行くことになるというくだりがあります。
しかし、プーケットまで行くには燃料が足りない。
なので、機長が
「エンジンを片方切る」とか言い出します。
こ、これはもしや…「
スカイバウンド 大地消滅」と同じ展開!?
斧で
エンジンを切り落とすのか!?
…と思って一瞬エキサイトしたのですがそんなはずもなく、
ただ単にエンジンを片方止めただけでした。
そりゃそうだよな…。「スカイバウンド」がおもしろすぎただけなんだよな…。
リアリティというものがある意味B級映画的な面白さとは相反する場合もあるわけですね。
ラスト15分くらいになってようやく毒ネコモンスターが姿を現すわけですが、
そこまで引っ張られると画像を貼ること自体がネタバレみたいなもんなので今回貼るのはやめておきます。
印象としては
オオカミクジラに似てましたね。
ピクサーアニメ的なかわいさがありました。
そんなもん怖がりたくても怖くなさすぎるよ。
まあそんな感じでモンスターパニックとしては手堅く地味に収まってる小粒な凡作としか言いようがないのですが、エンドロールの映像が相当アレでした。
まさか製作スタッフが本作を自画自賛するインタビュー映像が垂れ流されるとはね…
「他にない面白い作品だよ」「映画のあらゆる魅力が詰まってる これ以上の物は望めない」「監督も優秀で作品に対する情熱も素晴らしい」まー確かにそこまで悪くはなかったけど…。
クソつまんなくはなかったけど…。
一体どこからそんな自信が湧き出ているんだ。
ある意味このエンドロールが一番面白かったです。
優秀で情熱的な監督による、あらゆる魅力の詰まった他にないこれ以上ないほど面白い作品を見たい方はどうぞご覧になってみてください。