製作:2004年アメリカ
発売:タキコーポレーション
田舎の湖にある政府の科学研究所。
ホホジロザメをコントロールし、防衛に役立てる研究をしていたコリンズ夫妻は、予算を確保するため、レモラ将軍に「ブルー・デーモン計画」のプレゼンを行おうとしていた。
ところが、軍の陰謀で遺伝子改造されたサメが6頭、外海へと放たれてしまう。
果たしてコリンズ夫妻はブルー・デーモン計画の悪用と民間人への被害を防ぐことが出来るのか。
この、見るからにクソの香りが漂うジャケット。ヘリとか本編に一切出てこないし。シンプルにひどい。すっげえ安っぽいデキであろうことがあまりにも容易に分かるので、購入してから軽く10年以上は未開封のままでした。どう考えても観る必要が無い。明らかに人生の無駄遣いです。
そこまで言うならそもそも買うなよという話ですが、サメ映画マニアはとりあえずサメの絵が描かれたジャケットを並べて悦に浸るという習性があるのであくまでも棚の肥やしとして確保しておいたに過ぎません。…ただ、そういうのが他にもたくさんあるので月イチぐらいで消化していこうかなあなどと思い立って鑑賞してみたというだけです。
ところでジャケットで水面に浮かんでる女性ですが、彼女が主人公のコリンズ(妻)です。構図だけで言えばそれなりに見栄えのするシーンに見えなくもありませんが、本編でこうなるのが「石けんで滑って転んで気絶して湖に落ちる」というどうしようもなくマヌケな原因。まあそんな感じなので本作は全体的にぬるいコメディチックな雰囲気です。
↑ブルーデーモン計画を米軍にプレゼンする場面において、
なかなかサメが姿を現さないことに腹を立てる軍のお偉方。
「いつになったらサメを見られるんだね?」そんなことこっちが聞きたいんですが?
あえてクソサメ映画の中で
「クソサメ映画を鑑賞している人の気持ち」を代弁する意味とは何なのか。
分かってるなら何とかしてくださいよ。
…本作はその点抜かりはないんだぜとでも言うつもりなのか、サメが泳ぐシーンをアイキャッチのように何度も何度も挿入してくれます。これはありがちな尺稼ぎ。しかも本作の場合、サメが6匹もいるんで結構ボリューミー。そんなんで「サメが出ないサメ映画」の汚名を回避できると考えているのだからカワイイものです。
↑一応、ただ泳いでいるだけではなく、たま~に水面から飛び出てくることもあります。
↑このシーンはなぜかスローモーションでやたらカクカクしていたのでDVDドライブが壊れたのかと焦りました。
それにしても、サメの姿を映してくれるのはいいんですが、ほとんど人を喰わないのはどうしたことなんでしょうかね。一瞬飛び出るだけで被害者はほとんどナシ。結局冒頭のバカ女とダイバーとサーファーの3人しか喰われてないような気がします。そして当然喰われるシーンなぞ無いです。
「いかなるテロも防衛可能な、遺伝子操作されたサメによる地球最強の軍隊」が制御不能になったわりには少なすぎるキルカウントに眠気が加速せざるを得ない。
ところで、「生体兵器」はまあいいとして
「
アトミックジョーズ」とか言いつつどこにも核兵器要素が無いのだが?
というクレームについてですが、
↑どっかから流出した核爆弾をいつの間にかくわえていたということで
なんとなく回避されております。
そして、コリンズ夫妻が輪投げを得意としているという序盤の伏線を
「浮き輪で輪投げ」して「将軍を拘束」することで華麗に回収し、
サメを誘導して動けなくなった将軍を爆破して解決。
クライマックスはサメとの戦いでも何でもなく、
ボロっちいサーブとisuzuトラックによる貧乏くさいカーチェイスでした。
別にクラッシュしたわけでもないのになぜか死んでる敵ドライバーが見どころといえば見どころですかね。
まあ
デビシャを筆頭とする
クソサメ
映画四
天王にはまったく及びませんし、
シャークウィークよりは楽しめるかなという程度の中途半端なクソサメ映画でした。こういう尖り切ってない微妙なやつはオススメできる層も思いつかなくて困りますね。
たとえばゲテモノアイス屋のメニューで「ガガンボアイス」とか「蚊の目玉アイス」とかの横に「ミルワームアイス」なんかがあったとしても多分誰も注文しないでしょう。目立たないゲテモノというのはそれだけで不憫な存在です。「あえて不人気なものを」という茨の道を選べる高潔な精神の持ち主は挑戦してみてはいかがでしょうか。