製作:2010年アメリカ
発売:アットエンタテイメント
モンゴルでトレジャーハンターをしている男ダニエル。
地元のゴロツキに命を狙われながら秘宝を探す日々だったが、ある時ボランティアの医師団と出会い、成り行きで手を貸すことになる。一方、石油プラントでなんかの悪事を働いている所長は本社からの査察に焦っていたが、それはそれとして採掘が原因で地下に眠るモンゴリアン・デス・ワームが目覚め、地表へ姿を現し始めたのだった。
毒を食らわば皿まで、ということでまたしても「トレマーズ」のパチモンを鑑賞しました。
本家の2~5作目を見ていないのにこうもパチモンばかり観てしまうことに多少の罪悪感を覚えつつ…。というか、私は最近まで本作のことをてっきり本家の一員だと思い込んでいました。これもトレマーズシリーズとは全然関係なかったんですね…。
(原題は単に『モンゴリアン・デス・ワーム』)
露骨なパチモンを見かけるたびにいつも「こんなのに騙される奴いるのか?」などと鼻で笑ってレジに持って行ってましたが、マニアでも気づかない時は気づかないものです。
モンスターパニック映画はだいたいシンプルな話であることが多いしそういうのが好まれると思うんですが、本作は上に書いたあらすじのように様々な勢力が絡み合って小競り合うせいで結構ややこしいストーリーになってます。
それでも、それなりにテンポがよくて濃密な展開なので悪くはないです。
ただ、主人公ダニエルと組むことになる女性ボランティア医師が絶妙にムカつくキャラクターになっており、それなりにフラストレーションはたまる仕様。自分がボランティアだからって他人にも当然のように善意を強要するとか実にイライラします。自分を無償で助けて当然だという鼻持ちならない思考回路の持ち主。かと思えば急に常識人になったりと人格が安定しない。
まあそんな人物描写なんかほっといてモンゴリアンデスワームに注目したいところですが…
これが案外ぞんざいな扱いなんですよね。
↑人間を喰うシーンはそれなりにありますし、CGの出来もこの手の映画にしてはかなり良いです。
少なくとも「アイス・トレマーズ」や「シー・トレマーズ」よりは圧倒的に上。
…いや、そいつらはCGですらなかったかな。
まあ、一応そいつらよりはグラボイズに近い雰囲気ということで。
そうは言ってもモンゴリアン・デス・ワームはある意味グラボイズよりもビッグネームと言いますか、UMAとしては相当有名な存在です。なので毒液を飛ばしながら飛びかかって来るとか、電撃で攻撃してくるとかそういうネタを期待していたのですがその辺は特になし。いや全く何もないわけでもないけど、演出としては何もなし。ただ人間を丸呑みするだけ。喰いちぎってもくれないので結構地味。銃で撃たれりゃあっさり死にますしね。ゲームのザコモンスターの如き存在。
もし本当にモンゴリアン・デス・ワームがいたらこんな感じかも?というリアル感を重視したのかもしれませんが、どうせB級映画なんだからもうちょっとモンゴリアン・デス・ワームの脅威を誇張して欲しかった所です。
↑ジャケット絵ほど巨大ではありません。
まあ実際の目撃談によれば1.5m前後らしいですからね。
つまるところ本作のモンゴリアン・デス・ワームは賑やかし程度の暴れっぷりでしかないので、モンゴルに眠る伝説の秘宝を巡るダニエル・悪徳プラント所長・地元ゴロツキの三つ巴の争いとそれに絡むボランティア医師団のゴタゴタが楽しめるかどうかが問題になってきます。
その点、私は本作を
「
アイス・トレマーズ」
と
「
シー・トレマーズ」
とかいうなかなかハイレベルなクソ映画2連打の後に観たおかげでハードルがめちゃくちゃ下がっており、相当楽しめました。
…などと言ってしまうと結局面白いのかどうかよく分からないと言われそうですが、おそらくB級としては多分ボチボチ面白い方だと思います。多分。観ても損はないはずです、きっと。