製作:2018年アメリカ
発売:プライムウェーブ
街中に密かに作られた恐竜の研究施設「トライアシック・ワールド」。そこでは人間に臓器移植するために(?)ゴジラサウルスを復活させていた。しかし人間に近づけるために遺伝子をいじりすぎてしまい、知性が必要以上に高まったゴジラサウルスたちは人間に反旗を翻すのだった。
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」の便乗作として2か月ほど前にリリースされた「ジュラシック・ユニバース」の続編が早くも登場!?
…するはずもなく、「TRIASSIC WORLD」という例によって全く関係ない作品を続編に仕立て上げたものです。
パチモンの続編を装った別パチモン。なんとややこしい系譜のパチモンか。
世間ではボロクソ言われている「ジュラシック・ユニバース」も個人的には結構楽しめる部類のクソ映画だったので本作にも期待していたんですが、別物と知ってガッカリ。
ジャケには前回とほぼ同じ
『「ジュラシック・ワールド 炎の王国」に続く恐竜SFアクション大作』などという普通にアウト臭い煽り文句が確認できます。
そこは「ジュラシック・ユニバースに続く~」と書くべきじゃないんですかね?
「炎の王国」にあやかって「ダーク・キングダム」などと非常に大仰なサブタイトルが付けられていますが、内容からするとこれほどまでにふさわしくないサブタイトルも珍しい。
…いや、この業界では珍しくないけど。
本作の舞台は大して広くもない一研究施設内だけで完結しており、最後の最後までそこから一歩も外に出ることがありません。出てくる恐竜もゴジラサウルスとかいうマイナー気味な恐竜一種類だけ。終盤までは1匹しか出てこないし。ダークはダークかもしれんが、一体どこが王国なのか。
↑ゴジラサウルスなんて初めて知りました。命名者が怪獣マニアだったので日本のゴジラの名を冠したとか。だとしたらこういう映画で出番があって喜んでいるかもしれませんね。
ただ、本作は怪獣映画とか恐竜映画というよりは、初代エイリアンに近い方向性のホラー映画です。完全に閉鎖された施設でウロつく残虐クリーチャーに怯えながらサバイブするというドストレートな王道。
血糊の量が多め、スプラッター表現も結構頑張っております。
しかもゴジラサウルスに噛まれると認知障害を起こしてパニックに陥る感染性の病気にかかるというオマケつき。もうSFアクションじゃなくて完全にホラーのノリ。
まあゴジラサウルスのCGが丸っこくて若干カワイイのが恐怖感を全消ししてしまっていますが。こんなマヌケな体型の生き物を怖がれって言われてもキツイよ。本物もこんな外見なの?
そもそもどうして恐竜を題材にしてそんなホラー仕立てにしようとしたのか。
別にそこまでしてジュラシックワールドに便乗しなくても良いのではないか?
…と思える程度には真面目に作ってありましたけどね。
前日に観た物があまりにも酷すぎて、その反動ですごくよく見えただけかもしれませんが。
もう、アレの後だとちゃんとしたテレビ映画になっているだけで感動の涙があふれ出そうになりましたからね。
しかし、死刑囚のVRゲームだった前作(?)と比べるとあまりにも地味すぎました。閉鎖空間が舞台だから延々同じような絵面が続くし、性格の悪い登場人物たちのいがみ合いもいまいちキャラが薄い奴らばかりでノリ切れず。完全シリアスなので笑える場面もなく、天然でやらかしてるところも無くはないが爆発力に乏しい。設定は色々おかしいんだけど、あんまり突っ込んで楽しむ気も起きないというね。
じゃあ何を楽しめばいいかというとこれが全然分からんのですが、ヒマつぶし程度には使えなくもないクオリティはあるでしょう。まあ本作を観るよりは前作?や本家ジュラシックワールドシリーズを観た方が良いに決まってますが。
私もこれだけパチモンを観てしまうとそろそろ本家本元も観ておいた方がいいのではないか?という気分になってきてしまいました。
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