製作:2018年アメリカ
発売:インターフィルム
新たな移住先を探して旅していた宇宙船ガリレオ号。しかし、ある惑星に墜落してしまう。わずかな生き残りである保安員のマーストンたちに、恐竜の群れが襲い掛かって来る。
その惑星は、恐竜の巣窟だった…!!
去年の12月にリリースされたばかりの「ジュラシック・エクスペディション」と設定が瓜二つということで、B級映画マニアの間では話題騒然だった大注目作。よりによって2018年のワーストランキングに入るくらい酷かったあの「~エクスペディション」と丸カブリとは一体どういうことなのか?
…と思ってスタッフをよく見てみると、脚本家が同一人物でした。
一体どうしてまた同時期におんなじようなホンを書いてしまったのか。いや、書いてもいいけどなぜ採用されてしまったのか。実に不思議です。というか、
「ある惑星に不時着したら、そこは○○の巣窟だった」
っていうネタはある意味鉄板なんだからだからせめて恐竜じゃなくて違う生き物にしておけばいいのに…と言う話ですよ。
ただし、本作はあの「ジュラシック・エクスペディション」(以下エクスペ)よりははるかにマシな作品に仕上がっています。
何といっても尺が短い。たったの75分しかありません。恐竜の惑星に行くまでの前置きがダラダラ長かったエクスペと違い、本作はいきなり墜落シーンから開始。全体的にスピーディでムダな贅肉がそぎ落とされておりシンプルな作り。本作の存在自体がムダと言われると困ってしまいますが、個人的には好きなタイプのB級映画です。
↑しかしこの既視感と来たら何ともはや。エクスペの悪夢からたった2ヶ月しか経っていないのに早くもリメイクを観ている気分になりました。しかも襲ってくるのは主にラプトルサイズの恐竜なのでそれもまたエクスペとカブってます。一応プテラノドンとティラノも多少は出ますが。恐竜が存在することに対してあんまり考察とかしないし単なる雑魚モンスターみたいな扱いでしかないのもエクスペと同様。ロケ地も同じような砂漠なので設定だけじゃなくビジュアル的にも本当に何もかも丸カブリ。
これでこっちもエクスペ並みの出来だったらある意味伝説になれたんですけどね。
残念ながらそこまで酷くはないです。エクスペの悪夢を体験済みの人であれば、ボチボチ楽しめる程度のクオリティはあります。CGの出来は「ジュラシック・ユニバース」と同じくらい良いし、出し惜しみもないですしね。戦闘シーンは思い切りヘボイけど、それがいい味を出してます。キャラクターもわりと好感を持てる人物描写でストレスフリー。
↑ただ、中盤で夜のシーンがあるのですが、これはいただけない。「獣人プレデター」と同じ手抜きをやらかしてしまってます。つまり、真っ昼間に撮影して暗いフィルターをかけているだけなのが丸分かり。そんな見苦しいことするくらいなら「太陽が3つあるから夜がない惑星」くらいの設定にしとけば良かったのに…。まあ、炎の周囲を明るくする程度の工夫はあったので「獣人プレデター」ほど露骨な手抜きではありませんでしたが。
で、エクスペの悪夢と言えばあの伝説級のぶった切りエンドなんですが、本作はその点どうなっていたのか?
というと、ラスト手前のヤケクソ感がエクスペとほぼ一緒です。むしろこれ全く同じ脚本で作られた映画なのでは…細かい差異は監督がイジっただけなのでは…というくらい似てます。
とはいえ、本作の方は一応マトモに締められていました。投げやりというか捨て鉢な感じは共通してますけど、シャトルが小さかったおかげで決着はついてる。
まあ正常な神経を持ってたらこういうエンディングにしますよね。
ということで、エクスペとどちらを観ようか悩んでいる人がいましたら、迷わず本作の方をオススメしておきます。また、うっかりエクスペを観てしまった人はお口直しに本作を観てみるのもアリかもしれません。でも多分「~ユニバース」の方が面白いと思うし、普通の人は普通に「ジュラシック・ワールド 炎の王国」を観ておくべきなのは言うまでもありません。
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