ワニ映画の魅力とは一体どういうものでしょうか。
昔からなんとなくサメ映画のライバル的な存在だと思っていて、
わざわざカテゴリまで作ったのですが、いざワニ映画を漁ってみようとしても
意外と見当たらない。
ワニ映画ファンに怒られるかもしれませんが、
サメ映画の隆盛ぶりとは比べるべくもない状況。
有名作といえば「アリゲーター」ですが、個人的にはさほど面白いとは思えず。
他には、昔よく木曜洋画劇場で「U.M.A.レイクプラシッド」(前作)を放送していましたが
これもつまらなくはないがボチボチ楽しめるかなという程度で
ワニ映画には大したものが無い。
冷静に考えると、「
ロボクロコ」が一番面白かったんじゃないか?
と思えるほどの惨状です。
本作は2007年のテレビムービーですが、
出てくるワニはただデカイだけ(8メートルぐらい)で何一つ変わったところがない。
ただ見つけた人間をモリモリ喰らうだけの存在なので、
別にワニじゃなくても、サメでもアナコンダでも新プレデターでも何に置き換えても問題なさそうです。
ここが本作を実に味気ないものにしてしまっています。
何かワニならではという特性がないと…。
もしくはロボクロコや
新アリゲーターのように改造してしまわないと…。
あとこの手のモンスター映画なら、人間ドラマの方に力を入れるとか、
すごいゲス野郎を出すとか、何か一つでもいいから尖がった要素をぶち込んで頂きたいところです。その点で言うと、スポーツハンティング目的で乗り込んできたいけ好かない実業家はまあまあ悪くないキャラクターでしたが、そこまでの面白味はやはりありません。
彼が部下の黒人をぞんざいに扱いすぎて一度裏切られるところは人種差別問題に切り込もうとしている感があったし、それでも実業家の危機に命を懸けて助けてくれたりと面白く出来そうな要素が少しはあったのに、アッサリしすぎてて結局どうでもよくなってるのが実にもったいない。
他には、池でワニを飼っているばあさんも出てきますが、オヤツ代わりに人間を喰わせるようなキ〇ガイにも関わらず大したインパクトはありません。このばあさんに息子を預けた保安官の判断が一番の突っ込みどころかな…でも弱いです。
ワニのCGは微妙ですが、テレビ映画ならまあ及第点とは言えます。
ゲームの画面みたいですね。
でもサメより作るのがめんどくさそうな気がします。
そこら辺もサメほど流行らない理由でしょうか。
根本的にこのワニが弱すぎるのが一番の問題点だった気がします。
図体がでかいわりに非力な女性にナタ1本であっさり殺されたり、
グレネードランチャーであっさり爆殺されたり、
CGも相まってゲームのザコモンスター感が否めません。
そんなんで緊張感を維持できるわけもなし、かといってコメディというわけでもなし、
魅力的なキャラクターがいるわけでもなし、風景が美しいというわけでもなし。
何もありません。クソ要素もないからクソ映画ですらない。虚無的です。
「虚無映画」というジャンルが存在するような気がしてきましたが
要するにハズレということですね。
映画としては手堅くまとまっていて、低予算なりに出来は悪くないのですが、
サメ映画と比較すると「
フライング・ジョーズ」よりも圧倒的に面白くない。
そんなものを観る必要があるかというと、まあ全くないでしょうね。
関連記事:「
U.M.A.レイク・プラシッド3」