ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ロボクロコ 感想

 



「ロストジョーズ」のような産業廃棄物を事前に観ておくと、次に観るものが10倍面白く感じられるという副次的な効果が得られます。苦痛の代償とでもいうべき現象ですが、そのおかげでこの「ロボクロコ」が大変面白い良作であるように感じることができました。


軍の秘密実験が失敗し、ナノマシンが動物園のワニに侵入して、「ロボクロコ」へと変貌し生き残りをかけて人間との戦いが始まる。モンスターパニック好きには大変面白そうなお話しですね。
この映画、かなりテンポが速いです。 オープニングも登場人物の日常生活といった無駄な前置きがほぼなしで、さっそくワニとの追っかけっこやバトルが始まってくれるので退屈せずに鑑賞することができます。ただし時おりねじ込まれるプールで若者がすったもんだするシーンは明らかに邪魔ですが、そこまでの尺を取っているわけではないのでガマンできなくはありません。


ワニのCGはなかなかよく出来ている部類だと思いますが、クオリティの高いシーンと低いシーンの落差がかなり激しく、ヘボいところは本当にヘボいのでそこだけはZ級映画のつもりで鑑賞した方が良いでしょう。ヘボいと言ってもロストジョーズよりははるかに良く出来ていますが。




主人公はダフィという動物園のワニ担当飼育員ですが、なんとなく有能そうな雰囲気を醸し出しているような気がします。冷静に考えると「何やってんだこいつ」と思えるようなシーンは結構あるのですが、なんとなくそれをもみ消せるような気がするくらいのオーラがあるような気がしなくもなかったです。またこのワニをステラと名付けて可愛がっていたので、愛する者を殺さなければいけなくなったという微妙に切ない空気も漂っていましたね。


この動物園には釣り堀やプールが隣接されており、
逃げ出したロボクロコは当然そこでお食事会を繰り広げようとします。
と言いたいところですが、このロボクロコ、どうも人を捕食しているように見えません。まあそりゃロボ化したんなら有機物を食うのもおかしな話ですが。
被害者は水に引きずり込まれて消えるパターンもありますが、ただ単に血まみれで倒れている場合が多いです。どうやら人間を敵と認識してかみ殺すだけの様子。ただマッドサイエンティストに操作されてる風もありますが最後まで観るとその辺はどうでもいい感じでした。単なる殺戮マシンと割り切って鑑賞すれば良いようです。


まずは釣り堀でのんびり釣りをしているお客を襲います。が、その中に「伝説の精神」と日本語で大きく書かれたTシャツを着たモブがいて、やたら目立ってます。その後特に出番はなかったので本当にただのエキストラでしょうが、あのTシャツは一体何だったのか…気になって仕方ありません。


そして満を持して、軽薄な若者たちであふれかえっているプールにロボクロコが出現するのですが、ここは殺戮シーンが省略されており実に残念極まりない気持ちになりました。ことが済んだプールには死体はゴロゴロありますが、どうも血糊を多少垂らしただけの傷一つない死体ばかりで地獄絵図のはずなのに全然そう見えません。トイレに入っていて生き残った少年少女の反応もいまいち怖がってる感がないですし。
民間人を避難させろ!でもロボクロコを逃がすな!と言って民間人ごとプールを閉鎖する軍はなかなかの鬼っぷりですがそこら辺は誰にも突っ込まれてませんでした。


ロボクロコだから銃も効かないし生け捕りは無理、じゃあどうするんだ!となった時に、頼れるダフィが凄い漢を呼び寄せます。
なんでも「ワニとレスリングする原始人」だそうです。この称号には私も色めき立ちます。
そして次の瞬間速攻でヘリから降りてくる原始人。この映画はとにかくテンポが良い。「~しよう」と言ったら次の瞬間にはそのシーンになってます。

ところがダフィと原始人による生け捕りミッションは速攻で失敗。え?もう諦めんの?とビックリしてしまいます。そんなところまでテンポよくしなくていいよと言いたくなるくらい潔くて肩透かし。
とはいえその後ちゃんと原始人VSロボクロコによる超人レスリングシーンはあったのでまあ良しとします。…作中でも最低にショボいシーンでしたが。


クライマックスは地下でのバトルですが、クライマックスが一番ダルイというちょっといただけない構成になってました。もしかするとロストジョーズ効果が切れてきただけかもしれませんが…。
にしても、「熱も爆発も起こさない、チップや回路を破壊するだけで人間には無害」な対ロボクロコ用リーサルウェポンを発動させた時、周囲を巻き添えにして死人まで出してたのは一体なんだったんでしょうか。
というか進んで巻き添えに行ってる感もありましたが。ストーリー的に死ぬべき人物だったとはいえむりやり死にすぎです。


全体的にテンポが良く、観ていて退屈はしません。
突っ込みどころは異常なほど一杯ありますがこの手のC級映画ではむしろ美点ととらえられなくもないでしょう。
ワニのCGも最初は普通のワニで、時間経過に伴ってサイボーグワニっぽくなって行き最終的には完全なるロボワニに変貌するなどなかなか気合と工夫の入った出来でモンスター好きには一見の価値があると思います。時おり超ヘボくなるのはご愛敬ということで…。

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岩石入道
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自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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