マザードラゴンの目覚めが、人類滅亡を指し示す―! !
● 火山の噴火は、予兆に過ぎなかった…。現代に蘇ったドラゴンが人類を襲う!
突如目覚めた、無数のドラゴン! ! 全てを吹き飛ばす強靭な翼! 全てを切り刻む獰猛なツメ! そして全てを焼き尽くす炎! !
人々はひれ伏し、怯え、泣き崩れるのみ。全人類滅亡へのカウントダウンが、今まさに始まる…!
● ドラゴン VS.人類! 最新兵器を駆使し、激しい戦いが始まった!
最新鋭戦闘機《F-22》を筆頭に、あらゆる兵器で攻撃を加える! 最後まで目が離せないアクション・シーンは必見!
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これはだいぶキツイ虚無映画でした。
火山の噴火と共にドラゴンが出現し、米軍とコリン・ネメックがそれに立ち向かうという話ですが、1時間ぐらい経過するまでなかなかドラゴンが出てこないし、出てきても数秒だし、水増しにつぐ水増しで目線と意識を画面に向けておくことが異常に困難です。
集中力を養う訓練、もしくは目を開けて瞑想するぐらいの心構えでなければ最後まで鑑賞することは不可能と言えます。
この手のC級映画では「本編の出来を自虐するセリフ」が出てくる法則がある、と私は提唱していますが、本作もその例に漏れずしっかりこのようなシーンがあります。
どうして撮ったか自分でもわからんそうです。
この三つ編みお下げのジャーナリストはドラゴンの存在をいち早く察知し、情報の収集にあたるシーンがさも重要そうに垂れ流されるのですが、何の意味もありません。ただの水増し要員です。上司と喧嘩したり、ネットで情報収集したり、VWビートルのボンネットで昼寝したり、コリン・ネメックが乗り捨てたはずのBMWに乗って意味深に現れた情報提供者とコンタクトをとったりしますが、全部何の意味もありません。
サブ主人公か?ってぐらいに尺をとって描かれますが、本当に何の意味もありません。
そりゃあ本作を見てる人に謝りたくもなるというもの。許す人は極少数だと思いますが。
本作の存在そのものが無意味と言っても全く過言ではないのですが、
それではあんまりなので、砂粒程度に散らばっているかすかな見どころをいくらか解説してみたいと思います。
火山を噴火させた張本人扱いされ、大学をクビになったが愛娘と団欒のひと時いい笑顔。
本作の主役は毎度お馴染みコリン・ネメック。
C級映画を観ようとすると結構な高確率でこのナイスガイが視界に入って来ます。
当ブログも、もはやコリン・ネメックのファンブログと化しつつあるかもしれません。
でもここまでの超クソ映画に出なくてもいいと思う。
火山の噴火がコリン・ネメックのせいだとテレビでも大々的に報道。
「観測を行っていました」と言われてもなあ…事前に察知できなかったことを責められているのでしょうか?
そしてなんかちょっと変な顔の写真が使われています。
水増しだらけの虚無的な映画ながらこういう小技を効かせてくるのは嫌いではありません。
ちなみにこのジャーナリストが立身出世の野望に燃えるパートも結構な尺をとってありますがもちろん何の意味もありません。
「なんでその写真使うの?」
そして非難されたとたんにかかってくる正義のイタズラ電話。
マスコミの言うことをすぐ真に受けて個人攻撃するという世相を皮肉った秀逸極まりない名シーンです。
「お前の車に爆弾を仕掛けたぞ」
というしなくてもいい警告に対し、
なぜかちょっと面白い口調。そんなキャラじゃなかっただろ?
本作に吹き替えがなかったのが悔やまれます。
以上、本作最大の見どころを語らせていただきました。
それ以外の微妙な見どころとしては、
・米軍基地での作戦会議シーンで、コリン・ネメックのおでこのシワの数がすごく多くて数えたくなる
・コリン・ネメックの愛娘が勝手に米軍ヘリで出撃
・マザードラゴンを溶岩で包んでミサイルで撃つ、という作戦なのに全然包まれてない
・ドラゴンの繭に入ってマグマの中に落ちて、噴火で打ち出されて戻って来る愛娘
・ドラゴンは無数に飛んでるのにマザーを倒しただけでなぜか一件落着
などが挙げられますが、
「昨日の2時半に吸ったのはどこの空気だったかな?」ということに想いを馳せるのと同じぐらいどうでも良いので記憶にとどめておくだけ無駄です。
邦題もありふれた単語だけで構成されてて検索しても出にくいし、内容が空虚すぎてどうにもなりません。コリン・ネメックのおでこのシワに興味がある人には特にオススメです。