ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄  感想





「出来の悪い子ほどかわいい」ということわざがありますが、
これはまさにそんな感じの映画でした。

びっくりするほど出来が悪い!どこをどう探しても褒めるところがない!
しいて言えばカメラワークとかは普通に見られるレベルだったということくらいです。

サメ映画をチョイスする時点でこちらもある程度は覚悟のうえ(100点満点中20~30点ぐらいを想定する)で鑑賞するわけですが、それをさらに下回ってきました。
でも観ていて腹立たしくなるということはありませんでしたね。
というかむしろ嬉しくなってしまいました。


確かに脚本、演技、CGなど全てが稚拙極まりない。
しかし、こんなんでも許される世界があるんです。それがサメ映画なんです。
過当競争にはもうウンザリだ!クレーマーにもモンスターカスタマーにも過剰サービス!
そんな苛烈な現実からちょっと目をそらせばこんなテキトーでいい加減なものを作って世界中に売ってる人もいるのです。
しかもマニアであればあるほど「うん、これがサメ映画ってものだよね」と
勝手に満足してしまいます。
普通に騙されたと感じた人には、謝罪します。大変申し訳ございません。


「シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄」だなんて
またひどい邦題を付けたものだな!と一瞬思いますが、
原題は「Sharkansas Women's Prison Massacre」なので多分たいして変わりません。
(っていうかSharkansasって何だ…)

このタイトルとジャケットからすると、サメがいる海域に隔離された刑務所から脱走するような内容を想像しますが、もちろん全然そんなことはありません。
それどころか舞台はアーカンソー州です。
ええ、そもそも海がないですね。
アーカンソー州っていまいち日本人にはイメージしにくいというかちょっとマイナーな気がします。
それになんとここには海がありません。
じゃ何でわざわざアーカンソーにしたのか?
実はこの舞台設定はオチに深くかかわってきます。一応ネタバレはしませんがね。一応ね。
海があるとかないとかより、このナンセンスでシュールなギャグをやりたかっただけとしか思えません。考えた人は割と真剣にバカだと思いました。


オープニングは刑務所から女囚人たちが出てきて野外作業に向かうところから始まるのですが、それ以降刑務所に戻ることはありません。
タイトルに「プリズン」とか「大脱獄」とかあるのに刑務所が一瞬しか映らない映画も珍しいと思いますが、野外作業から逃げるのも一応脱獄ということにはなりますからね。


肝心のサメは例によって「油井爆破で太古のサメが目を覚ました」です。
こないだ見た「ジュラシック・シャーク」も確か全く同じでした。
ただあっちは一応「メガロドン」という実在した古代サメでしたが、
こっちはSharkansasとかいうオリジナリティあふれる架空の陸ザメです。
なんと地中を泳ぐことができるすごいやつ。
これで海がないアーカンソーでもサメが活躍できるというわけですね。
なにかトゲトゲが生えていたりしますが、サイズが小さい割りに全体像が映るシーンがほぼないのがちょっともったいないです。
CGの苦手なスタッフだったのかもしれませんね。
血しぶきも血糊やCGではなくなぜか合成みたいでしたし。


そういえば、数少ない褒めるポイントとして、キャラクターはそこそこ印象に残るかもしれません。
女囚の中に中国人が一人いるのですが、まわりからは「しょうゆ」とか「春巻」呼ばわりされており字幕で見ると微妙にシュールで笑いを誘います。まあそれだけですが。
あとこのタイトルだとセクシーなものを期待する人もいるかもしれませんが、
入浴シーンでも水着着用なくらい健全なのでお子様と一緒でも問題なく鑑賞できます。


彼女らを追う刑事コンビの描写も意味ありげで結構多いのですが、
残念なことにこれは単なる尺稼ぎでした。無意味に引き延ばした会話。いずれ合流するのかと思いきや結局しないという肩透かし。
これでは彼らは刺身のツマにすらなれていません。
造花のタンポポくらいの存在ですが、分量的には刺身の上に20個ぐらい乗ってるイメージです。


クライマックスは暗い洞窟に逃げ込んでからの脱出劇ですが、
実に噴飯物のクオリティでした。
やっつけにも程があるというか、スタッフは時給100円くらいでむりやり仕事させられてるの?とか考えてしまいます。
全体的にゆるくて笑いどころに乏しい映画ですがここだけはニッコリ。
これほどアレな珍場面にはそうそう出会えません。
ここを解説して突っ込みを入れ始めたら多分1万字くらい書いてしまいそうなので
断腸の思いでやめておきます。


で結局面白かったのか?つまらなかったのか?
と言われれば「楽しかった」と胸を張って答えられますが、
どういう層が楽しめるのかはいくら考えてもわかりませんでした。
この記事を読んで「面白そうだ」と思った人は見てもいいかもしれません。
責任は負いかねますが。


コメント

プロフィール

HN:
岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
krgm200@gmail.com

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