最寄りのTSUTAYAに置いてなかったからわざわざ取り寄せを頼んだのに
いつの間にかアマゾンビデオで配信されてた…。
実質DVDラベル鑑賞代として216円も支払ってしまったとは…。
…「
ビッグ・クラブ・パニック」と同じポロニア・ブラザーズ・エンターテインメントの作品ですね。
アレと同じ役者(?)が同じような役柄で出演していました。
しかしどうしてこうもつまらない出来になってしまったのか。
本作は
視聴者の意識を奪いに来る系のサメ映画です。
同系統のサメ映画としてはやはり「
ロスト・ジョーズ」や「
デビルシャーク」の名が挙げられますが、本作はまだ
「楽しませようと努力したであろう痕跡」が何とか見て取れる分、この2作よりは遥かにマシであると評価することができます。できますが、本作の鑑賞が相当な苦行であることは間違いありません。
私の場合は開始から40分地点で意識を失っていることに気付き、巻き戻して確認する羽目になりました。
ストーリーは無いも同然、出ている人はたぶん役者ですらなくただの一般人、CGも使っておらず、ストップモーションアニメだか何だかよく分からない合成画像が人を殺して回るだけというヤバイぐらい空虚な内容です。
ただ、出てくるサメが普通のサメではなく、ナチスドイツが開発した、ホホジロザメとヨシキリザメとシュモクザメの合成生物「フランケンジョーズ」(ほんとはシャーケンシュタイン)であり、それを現代に復活させたマッドサイエンティストの言動が多少印象に残るという部分だけがネタになる分、救いがあります。
ビッグ・クラブ・パニックとは比べ物にならないぐらいやる気のないフランケンジョーズ。
逆にどうやって作ってんだこれ…
2016年にこれを堂々と金取って公開出来る神経がまず理解不能。
それが遠く離れた島国のレンタルショップに並んだりアマゾンでデジタル配信されたりするのも理解不能。字幕付けてる人がどんな顔で翻訳しているのか見てみたい。
マッジとかスキップとか微妙にマヌケな響きの名前を持った3人組が主役グループらしいのですが…
そのマッジという女性は別にブサイクというわけでもありませんが、常にしかめっ面で口を歪ませ、アゴをシャクレさせているのでやっぱりブサイクに見えます。わざわざそういう演技指導でもしてるのか?何で?
あとは体毛の濃いたるんだ腹のオッサンばっかり泳いでて実に空虚な映像を長時間見せつけられます。そういう点においては若い女性をふんだんに出演させるブレット・ケリー・エンターテインメント作品の方がある意味まだサービス精神旺盛なのかもしれません。でもあっちのサメは芸がなさすぎるし…ポロニア・ブラザーズ・エンターテインメントとどっちがマシなのか悩むところです。
彼ら3人がマッドサイエンティストに捕まってフランケンジョーズの開発を手伝わされる場面が一応本作の中で一番密度の濃い部分ではあります。
なんかすごく意味深というか哲学的なような気がしないでもないセリフ。
フランケンジョーズに何を求めているのかがよく分からない。
ヒトラーの脳みそを移植するとか何とか言ってたような気がするんですが結局どうなったんだっけ…。
「急にサメになって驚いてる」という奇天烈なセリフがあったのは覚えてるんですが。
バラエティ番組風にテロップを入れたりして茶目っ気を見せるポロニア監督。
やはり本作はコメディ映画として撮られているのでしょうか?
笑えるシーンが無いので判断する術もない。
カミナリを浴びたことによって進化し、足が生えて舞台は海から森へ。
かなり巨大な怪獣と化しているように見えますが。
案外小さいというね。
サメっていうかもうトカゲみたいな感じ。コモドドラゴンとかああいうの。
後半はもう何度も休憩を入れないと脳が危険を訴えるレベルのZ級映画です。
人が食われるシーンは画面に赤いエフェクトを後付けしただけみたいなチープさなので、あの伝説のクソサメ映画「
ジュラシック・ジョーズ」よりも手抜きをしているというね。まあそれだけでなく何もかもがジュラシック・ジョーズ以下ですが。下には下があるもんですね。
総評としては、まあ見るだけ無駄…というか、拘束してむりやり鑑賞させるなどの拷問道具として使えるんじゃないかと思えるぐらいのクソサメ映画です。
ただ海中のシーンはちゃんと海に潜って撮影しているし、オリジナリティあふれるサメモンスターを創作したわけだし、何もかもがダメダメと切り捨てるわけにもいかないところではあります。
「ロスト・ジョーズ」や「デビルシャーク」を鑑賞し切れる精神力をお持ちの方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
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