製作:2009年アメリカ
発売:アルバトロス
温暖化で極地の氷が溶け、太古の眠りから巨大メガロドンと巨大タコが目を覚ました。瞬く間に地球の海は彼ら2体に支配されてしまう。
米軍も日本軍も全く歯が立たない中、科学者は「化け物には化け物をぶつければ良い」と気づくのだった。
ここのところ何かが物足りないな…と思って今年観た映画を振り返ってみると、1月初めに「
シックスヘッドジョーズ」を観てからというもの、なんと5か月近くもサメ映画を観ていないことが発覚しました。今年はサメ映画が不作なんでしょうか?
「
ゴーストシャーク2」や「
ランドシャーク」はまだ出ないんでしょうか?
とにかく、次のサメ映画新作までは7月リリースの「ホワイトシャーク」まで待たねばなりません。
↑とても面白そうなサメ映画で実に楽しみですね。しかし、とてもそれまでは持ちそうにない。というわけで、ついに禁断の「メガ・シャーク」シリーズに手を付けることにしました。
こんなブログに来ている人なら知らないわけもないでしょうが、一応説明すると毎度おなじみアサイラム社製作でストーリー原案がニューセレクト社というB級映画マニアにとっては夢のようなタッグから繰り出された産業廃棄物です。
ちなみに、これに限らずアサイラム社の映画は全て配給会社の意向を汲んで製作されているらしいです。B級映画マニアたる者やはり配給会社の特性もよく勉強し把握しておかねばならないわけですね。
で、本作のストーリー原案は我らがニューセレクト社…とは言ったものの、特筆すべきストーリーラインなどは存在しません。「巨大サメとタコを戦わせろ」の1行で済むような発注をしただけなんじゃないでしょうか。ただ、主役の科学者チームの中に日本人がいてしっかり出番もある点については珍しいことかもしれません。演じているのは日本人ではなさそうですが。
↑飛行中のジャンボジェット機に喰らいつくメガシャーク。数少ない貴重な出演シーンです。CGがなぜかブレブレで非常に観にくいのが難点。今さらCGの質をごまかそうとしなくてもいいのに。ちなみにタコの方はジェット戦闘機を撃墜してくれます。
↑メガ・シャークやジャイアント・オクトパスを退治するのではなく、生け捕りを主張する科学者たち。サメ映画にはなくてはならないキャラクターですが、本作では主役を兼ねてます。そのせいかいつの間にか捕獲作戦のことを忘れてしまったようです。それにしてもこのシーンのバカっぽさは異常。何の実験か知らんけどすごく楽しそうで何だかほのぼのします。左のオッサンの笑顔がじわじわ来る。
↑このようなスペクタクルな見せ場が潤沢にあれば「シャークネード」のように盛り上がれるだけのポテンシャルはあると思うんですが、いかんせんちょびっとしか無さ過ぎた。いや、決してそこまで悪い映画じゃないんですよ。上の実験シーンもそうですが、たとえサメやタコがちょっとしか出てこなくても充分退屈せずに観ていられるだけのクオリティはあるんです。
↑メガ・シャークとジャイアント・オクトパスの戦いは終盤にほんの少しあるだけ…
しかし本作にインスパイアされて作られたと思われる「貞子vs伽耶子」などの例を挙げるまでもなく、この手の映画ではよくあることです。勝敗が付かず引き分けっぽく終わるのもよくあること。本作の場合、タコがちゃんと墨を吹いていただけでも満足せねばならないでしょう。
ついでに言うと「
シャークトパス」
シリーズもおそらく本作の影響を受けていると思われ、B級映画界隈にある種の刺激臭のようなものを撒き散らした作品であったと言えます。
ということで意外とそこまで酷すぎることもなく、それなりに悪くはないかもしれないサメ映画でした。
たぶんシャークネードの2割分くらいは楽しめると思いますので、過度の期待をしなければ観ても損は無いでしょう。