製作:2018年アメリカ
発売:アルバトロス
メキシコのバハ半島沖コラゾン島で、カップルの関係修復セラピーが行われていた。そこは、40年前に秘密の動物実験ラボが存在した場所でもあった。セラピーの主催者でありながら自分の妻に離婚されそうになっていたウィルは険悪なカップル共に苦戦を強いられていたが、そのうえアタマが6つもある変なサメに襲撃されてしまう。
いやー、これは無茶苦茶面白いクソサメ映画でした!
これはもう
クソサメ映画殿堂入りの名作と言っても過言ではないですぞ。
前作「
ファイブヘッド・ジョーズ」があまりにも淡泊でつまらなかったもんであんまり期待していなかったこともありますが…いや、監督があのマーク・アトキンス大先生で、しかも主演がブランドン・オーレというクソサメ映画界のスーパーゴールデンコンビだったので一発逆転もあり得るとは思ってましたが…まさかここまで素晴らしいクソサメ映画を見せて頂けるとは!
「かかってきやがれ!」
さて「ダブルヘッド」「トリプルヘッド」まではまだいいとして、「ファイブヘッド・ジョーズ」までくるともう恐怖のサメモンスターというよりはまるでゴム手袋というかヒトデのようなマヌケなエクステリアにしかなってなかったわけですが、本作はさらにその上を行く6つアタマ。
ジャケットでは「ケルベロス2頭分」などとちょっとうまいこと言ってる煽り文句と、6つの頭が全部正面を向いていてちょっとカッコ良さげな売り込み方。
しかし現物がそうなるわけもなく、正面を向いて人を喰らう役割のアタマは2つだけで、残りの4つは横向きに生えていました。
すると、その横から出ているアタマの役割は何なのか!?
と言うと、
もはや完全にただの足。なんと「シックスヘッド・ジョーズ」という化け物は、左右4つのアタマを足代わりにノソノソ歩いて襲ってくるというかつてないほど斬新すぎるサメモンスターだったのです。
そう聞くと触手で歩ける「シャークトパス」の完全下位互換という気がしますし、実際見ても機能的にはそうとしか思えないのですが、わざわざアタマを(物理的に)使って歩いているサメの映像はあまりに破壊力抜群。
さすがだ…さすがマーク・アトキンス監督の仕事だ…といたく深い感動に包まれざるを得ない。
↑人を喰えるアタマは基本的に正面についてる2つだけ。
左右の4つは多分誰も喰ってなかったし、6人まとめて一気食いというハデな捕食シーンは残念ながらナシ。CGも気のせいか前作・前々作よりも劣っている感じ。ストーリーもカップル修復セラピーとかくそつまらんし前半はとにかくダルいしで「あ、前作に続いて本作もハズレか」などと思っていたのですが…
超強力なスーパーセルが近づいてきた!
灯台に避難しなきゃ命が無い!
でも灯台まで行く時間が足りない!
しかたないから40年前の秘密実験ラボへ避難しよう!!!
↑という流れでやってきたラボがこれ。これが??ラボだと????
「大丈夫 40年もあるラボよ」
ラボとは一体何であるのか。
スーパーセルが来るならどう考えてもこんなところより島の陸地にいた方がマシだわ、
それなりにデカかったシックスヘッドがいきなりものすごく縮小化してこのちっこいラボ(笑)に侵入してくるわ、
「無事に生き残ったら…離婚しよう」などと奇怪な死亡フラグを立てるカップルはいるわ、
結局最後までそんな凄い嵐などやって来ないわで、もう突っ込みどころ満載というより突っ込みどころしかない信じがたいほどにドポンコツな展開一直線、それも猛スピードで。
嵐は来なくてもマーク・アトキンス節が荒れ狂っている。粗忽さもここまで極めるともはや感動の域。
↑シックスヘッド、ブランドン・オーレ必死の反撃にひるんで一時退却の巻。
もはや完全に足としての役割に徹している4つアタマにある種の悲哀を感じてしまう。
なんという巧妙な演出であろうか。
それでいてテコテコ遁走する姿が非常に可愛らしくもありユニーク。正直言って爆笑した。つくづく凄まじいサメモンスターを創造してくれたものです。
このアタマはいくらちぎられてもナメック星人のようにズルリと再生可能。ということで、自らアタマを喰いちぎってはブン投げて遠隔攻撃するという特殊能力まで発揮。
アタマが6つあるメリットを生かしまくってやがる!
ということで、私としては滅法楽しめたのですが、正直他人にオススメしていいのかどうかは微妙なところです。
いや、冷静に考えるとそう簡単にオススメすべき代物ではなさそうですね。
間違いなく超弩級のクソ映画ですから。
まあそうですね、シックスヘッドだし
「サメ映画を60本以上観たことのある人」であれば文句なくオススメです。
そのような功徳を積んだ人であれば、クソサメ映画の新境地、マーク・アトキンス監督の熱い魂を感じ取ることが出来るでしょう。
1. 無題
Re:無題
アタマが2つ3つの頃ならまだしも、6つあってもジャマくさいだけで大してメリット無いのがむしろこの映画のセールスポイントでしたね。もはやサメ映画っていうかサメ型モンスター映画と言うべきかもしれません。