製作:2018年メキシコ
発売:エクリプス
2人の暗殺者がとある屋敷へ仕事にやってくる。しかしそこはただの屋敷ではなくお化け屋敷であった。襲い来るお化けを退けて彼らは任務を達成できるのか?
「極限の92分間」…というのは、この暗殺者たちが体験する時間ではなくどちらかと言えば観客が92分間悶え苦しむという意味ではないかと思われます。
極限まで引き延ばされた92分間。
1時から見始めたのに居眠りを繰り返してしまい見終わったら5時過ぎになってました。エンドクレジットを除けば80分ぐらいしかないはずなのに、いつまで経っても終わってくれない。ここまで長く感じた映画は久しぶりでした。ひどく頭痛がします。本当に辛かった。休日の午後を無駄に浪費してしまった。
「トゥエルブマンス映画祭最優秀作品賞」「フェラトゥム映画祭最優秀作品賞」などと書かれてますが、「トゥエルブマンス映画祭」「フェラトゥム映画祭」でググってもこの映画しか出てこないのでたぶん架空の映画祭でしょう。存在しない賞で権威付けするなんてモンドセレクションより性質が悪い。
全編リアルタイムであるとか、デパルマばりにスプリットスクリーンや長回しを駆使しているとか、色々小手先の工夫はしてあるんですが、そもそも中年男2人が92分間丸々お化け屋敷をただ徘徊しているだけという内容に問題がありすぎます。
↑お化けのボス(右)と対峙するアサシンズ(左)
誰かを暗殺するためにやってきたらしいアサシンズですが、誰が標的なのか最後までよく分かりませんでした。それどころか途中からは逃げようとしてるのか任務を遂行しようとしてるのかさえ分からない。同じ所をグルグル巡り続けて一体何がしたいのか?
時々現れるお化けに小突かれてはめちゃくちゃ大げさに痛がるアサシンズは、まるでペナルティエリアでPKをもらおうとファウルされたフリをするサッカー選手のようでした。あまりにもわざとらし過ぎてレッドカードを出したかった。特にヒゲ面の方のアサシンは腹立たしい。ひたすら息を荒げまくって苦しそうにフラフラ徘徊する様子を延々見せられるのが本当に辛かった。
お化けたちは小突いて来るだけではなく、アサシンズの過去のトラウマのような記憶を呼び起こす嫌がらせもしてきます。そうすると、アサシンズはまたまたわざとらしく嗚咽してヨダレを垂らしながら悶え苦しむ様を延々見せてくる。見ているこっちの方がよっぽど苦しいんですがね。
↑やたらスプリットスクリーンを多用していますが、左右どちらにも大して意味のない映像が映し出されるため無意味さが2倍になっているだけという有様。だいたいこの映画は9割方画面が暗すぎてよく見えません。見えてもどうせ意味がないとはいえここまで暗い映像ばかりなのはさすがに厳しい。結局のところただアサシンズの荒い呼吸を聴いてるだけだったと言っても過言ではない。
終盤で「
グラビティ 繰り返される宇宙」と同じようなタイムループ的仕掛けがあったと判明するが、そんなもん無くても延々ループしてるような鬱陶しさに満ちた映画だっただけに余計ウンザリするだけでした。2019年ワースト10入りは確実かと思われますのでクソ映画ソムリエの方は要チェックです。