製作:2017年アメリカ
発売:ブロードウェイ
なんとなく砂漠に遊びに来た学生グループと、国民抵抗軍の精鋭5名。なんとなく見つけた怪しい施設に入ってみると、そこには狂気のマッドサイエンティストがいた。そして、殺人ゾンビ恐竜もいた。古代の写本によると、人類は滅亡するとか何とか。
ゾンビ映画はそんなに好きでもないけど、人間以外の生き物がゾンビ化する映画はすごく好きです。
たとえば「
ズーンビ」、「
ゾンビーバー」、「
最凶ゾンビ蜂襲来」、「
ゾンビシャーク」等々…いや本当に奇作珍作駄作の宝庫ですね。
しかも、本作はなんとジャケの下に「劇場公開作品」と書いてあるじゃないですか。すごくウソくさいけど、いくら詐欺上等なんでもアリのこの業界でも劇場公開作か未公開作かの部分だけはキッチリしてそうだから多分本当なのでしょう。
ちなみにDVD版のサブタイトルが「ジュラシック・デッド」で、劇場公開時のが「殺人ゾンビ恐竜誕生」だったようです。どうせ東京でしか上映してなかったんだろうな。劇場で鑑賞したかったなあ。あー首都圏の人がうらやましいなあ。
…と思った人がいたかどうか知りませんが、こんなのを劇場で観てたら99.9%の人は寝ると思います。私でも容赦なく寝ます。わざわざ劇場でやる意味がわかりません。一体どんな物好きが観に逝ったんですかね?
一応それでも「最凶ゾンビ蜂襲来」よりは格段にマシな出来栄えのアニマルゾンビ映画とは思いましたが。まあゾンビ蜂を下回る映画もそうそう出てはこないか。
↑後半になるまでほぼ出番のないゾンビレックス。なので前半は死ぬほど眠たいのです。と思ったら後半も眠かった。ゾンビレックスが徘徊してるのに呑気にトイレ休憩し出す一行、そして手を洗ったかどうかで激しく口論するアホ学生共のアホっぷりが一応の見所か。あとはオタク共によるゲーム話が多いくらいかな。にしてもゲームボーイとかメタルギアソリッドとか古いのばっかしですが。
いや、そういえばゾンビ化した軍人の格闘アクションはなかなか良く出来てました。恐竜関係ないところで頑張られても、という気はしますが何もないよりはまだいいです。
ゾンビレックスはアホ学生の腕を喰いちぎってくれるのは大変結構だが、他には何もしてない気がします。そもそも恐竜がゾンビだからって何なんでしょうか。白目剥いてるだけじゃないのかと。サイズも馬ぐらいと思ったよりだいぶ小さいし。というかゾンビ化するのはまあ良いとして、そもそもTレックスの死体をどっから入手したのか。塩漬けにでもなってたのか。
そのような些事には目をつぶるとしても…映像的にもちょっとアレです。炎から軍用車から何でもかんでもむりやり合成したりヘボイCG出まくりなのでほぼ全編に渡って視覚的違和感が凄い。大学の構内とかどうでもいい日常的な背景までわざわざ合成してるように見えるんですが、どうしてそんなことに…?
まあいいです。内容と映像については目をつぶることにします。あとは音楽ですが、これは今まで聞いたことがないくらいにチープです。クライマックスとか特に。この変な音は何の冗談かなと。いや、デビルシャークのBGMよりはましなのかな。
この際BGMにも目をつぶりましょう。ただ、そうすると後は何もない。
あるとすれば、尺が短いことかな。本編82分ですが、エンドクレジットがやたら長いので実質的には70分を切ってます。短いことはいいことだ。体感時間はその2.5倍はありますが。
ここまでボロカス言っておいてなんですが、本当に「最凶ゾンビ蜂襲来」よりは圧倒的に上なので、ゾンビ蜂の脅威を経験済みの人であればそこそこ楽しめてしまうかもしれません。私もゾンビ蜂で耐性が出来ているので眠い眠いと言いつつもしっかり全部観て、何だかんだ殺人ゾンビ恐竜を堪能させていただきました。なので、決して満足感は低くないクソ映画です。本作に興味がおありの方はまず「最凶ゾンビ蜂襲来」を前菜代わりに鑑賞してからのコースをオススメします。