製作:2014年アメリカ
発売:ブロードウェイ
麻薬組織を壊滅するために結成された最強の特殊部隊「L9コマンドー」。
彼らの今度の任務は、アルバニアにある麻薬製造所を破壊すること。
しかし、そこには敵の生物兵器である巨大タランチュラがたくさんいたのであった。
これは……ショボイ!
「2019年 この映画がショボイ!」ランキングがあったら確実に3位以内には入賞するであろうと断言できるくらいにショボイ!
そもそもこの小学生が考えたような邦題の時点で相当アレなのにこのジャケット絵の香ばしさと来たらね…もう平成も終わりだってのに昭和の空気が漂ってます。
前から思ってたけど、ブロードウェイさんも相当いかれてますよね。
一体どこの馬鹿がこんなのを借りると思って発売してるんでしょうか?
さすがの私でもこれを新作料金でレンタルするのはかなり躊躇しましたよ。
自販機の下に500円玉を落っことして、1時間半粘っても拾えなかった…と言う目にあったつもりになってようやく自らをその気にさせましたからね。
本作は麻薬製造所で最強特殊部隊(笑)が巨大タランチュラと戦うというだけの内容なので、ストーリー的なものは何もないです。
しいて言えば巨大グモがタランチュラじゃなくて実はシドニージョウゴグモだった!というのが意外だったぐらいしか展開がないです。クモ好きとしてはすごく心惹かれる存在なんですよね、シドニージョウゴグモって。
まあストーリー性がないってだけなら特に珍しくもないことですが、本作には主役とか脇役とかいう概念すらありません。誰が誰だか一切分からない。誰の顔と名前も一致しないし性格も何もかも分からない。
人間A、人間Bって名無しのモブキャラしか出てこないような感じ。
いくらZ級でもこんなの初めてです。
↑CGのヘリに乗り込む最強特殊部隊。
サザエさんのエンディングみたい。
本作は全編に渡って映像の黒い部分がやたらにじんでおり違和感が半端ないです。
95%は夜のシーンなので画面全体がにじみまくりで何が何だか。よけいに人の顔が区別できない。クモも見えない。これほどひどい映像の映画は初めて見たかもしれません。格安スマホで撮ったってもっとマシな映像になると思うんですが。また何か変なフィルターかけてんのかな。
しかも、映像だけでなく音声までひどくおかしい。
位置も角度もガン無視で全部同じようなボリュームで聞こえるうえに環境音がないからアフレコ感全開すぎて違和感が凄まじい。そのうえ全力で棒読みして追い打ちをかけてきます。クモに襲われて助けを求める叫びが一番ひどかった。
ストーリー性皆無でモブしかいなくて映像も音声も壊滅的!
これは、逆に凄い。
ここまで何もかも違和感全開だとむしろ退屈する暇もなく時間が経って行きます。
認めたくないが、この映画に夢中になっていたと言わざるを得ない。
同じ0点の答案でも、全部空白の人もいればトンチキな回答で埋めてくる人もいる。本作は明らか後者のタイプです。こういうのは観てて眠くなりません。
ただ、クモが出てくるまでの内容は何にも無さ過ぎて驚くレベルです。
尺は95分ですが、前半は完全無視しても何ら問題はありません。時間の無駄を嫌う人は50分頃のシーンから再生すると良いでしょう。
↑いざ巨大タランチュラ…いや巨大シドニージョウゴグモとの戦闘が始まると、今度は何だか人間がCGになったような…
本作のCGもまた驚くほどショボイです。初代プレイステーションの初期ソフトぐらいのクオリティです。90年代中頃を思わせる、あの懐かしいのっぺりした感じのテクスチャが何とも言えない郷愁を誘います。映像のにじみや棒読みとかけ合わさって、あの頃の香ばしいクソゲー感が…たまらないですね。
ということで、本作を構成する全ての要素がとにかく究極的にショボイ。
それはもう、もしかするとあの「
猿の帝国」をも超えるショボさなのでは?と思えるほどに。
そのショボさ自体を楽しめるZ級映画ファンならば必見です。
こんな珍作をリリースしてくれるブロードウェイ様を応援するためにも、Z級映画ファンは新作で借りておきましょう。
それ以外の方は、半端な好奇心で近づいてはいけません。