ゾンビーバー　感想

「ハングオーバー」シリーズのスタッフによる作品という話ですが、
案の定チ〇コだのウ〇コだのと実にお下品です。
美人女子大生３人が主役ですが、頭とか色々ゆるいのでそっち方面のサービスシーンも多めとなっております。
…美人と言えるのは一人だけじゃないかなと個人的には思いましたが。
それはともかく、普段から上品な芸術的映画ばかり観ている私としては眉をひそめるようなシーンばかりで多少胸やけしますが、まあたまには良いでしょう。


ストーリー的には特に珍しい部分は何もありません。
化学物質でゾンビ化したビーバーが、田舎で羽目を外すお気楽大学生グループを襲う、ただそれだけです。人間模様的にも痴話ゲンカしかありません。
かといってつまらないということは全然なく、実に面白い作品でした。


まず、一発ネタとはいえビーバーが襲ってくるというのはやはり斬新でいいですね。
しかもＣＧではなく人形です。
おまけにあまり出来の良い人形とは言えません。
ただ、明らかにわざとですね…
ここは「お前らヘボいの好きなんだろ？」と言われているようでちょっと制作側になめられているような気がしますが、まあ確かに嫌いではありません。
ビーバーといえばやはりあの前歯が特徴的で齧る力が強いというイメージがありますがそこら辺の特徴は存分に生かした展開となっています。


また、アホ大学生共の死に方もなかなかいい。
齧った木を倒して殺すなんてちょっと地味なやつもいますが、
事に及ぼうとしているアホ男子の股間を喰いちぎったり、湖で泳いでるバカの足を喰いちぎったり、結構派手にやってくれます。
大学生も大概クソ野郎とビッチばかりなのでほどよくスカっとできます。
グロシーンの出来もヘボいので、過度なグロにならず笑ったまま観ていられる親切設計。
でも大学生たちは過度にお笑いに走らずそれなりに真剣に生き残ろうとするのでモンスターパニックとコメディのさじ加減が良いバランスで仕上がっています。


死ぬ順番はかなり考えられていますね。まんまと予想を外されました。一見内容が無いようでいて、こういうところに工夫が凝らされているのも好感が持てます。
ただペットの小型犬をオトリに使って逃げるシーンは、犬好きにとっては胸糞悪いかもしれませんね。わざわざＮＧシーン集を入れたのはそこの配慮でしょうけども。


ゾンビーバーに噛まれた人間がゾンビ化する、という要素もありましたが
こちらは中途半端というか、別にいらないんじゃないかなと思いましたね。
ただのゾンビではなく前歯が伸びてきて尻尾が生えてくる、ゾンビーバー人間といった趣でしたが出てくるのが遅くて特に活躍する場面がない。
序盤にグリズリーを出し、終盤でゾンビーバーグリズリーという美味しいモンスターを出したにも関わらず単なる賑やかしで特に何もしないとか、もったいなさすぎます。
とりあえず出しとけ！みたいな感じでした。
ま、その辺を深く追求しないからこその７７分という非常に観やすい時間に収まってるわけですが。


天然でやらかしてる部分が何もなく、普通に有能なスタッフが計算ずくでＢ級映画マニアに媚びまくって作ってるところが鼻につく面もあります。
そういうところに腹を立てるような頑固な映画マニアは避けた方がよろしいでしょうが、
全体的に完成度が高いことに違いは無いので、普通のＢ級映画好きなら観ておいて損は無いでしょう。オススメです。