ワニに餌付けするのが好きな血族を描いたシリーズ第4弾にして最終作。
と思ったら今回は餌付けシーンがありませんでした。
ということで本作はワニがうろつく危険地帯に迷い込んだ高校生たちと
その救助に奔走する保安官たちを描いた実にオーソドックスな
モンスターパニック映画となっております。
3作目のような尖り方はしてませんが、客観的に見るとシリーズ中最も出来が良かった
と思います。ファイナルと言わずともっと続けてくれれば良かったのに。
3作目でいつの間にかフェードアウトしていた女密猟者リバが目覚めるところから始まるので、
主役はこのリバになるのかと思いきやむしろ前作より出番が少ないぐらいの存在感。
本当の主役は女保安官とその娘でした。
4作目ともなるとさすがに舞台となる湖は「ワニがうようよいる危険地帯」と
はじめから認識されており、全体を高圧電流の流れるフェンスで囲うことで住民の安全を確保しています。
しかしそうなると、今までのように湖に遊びに行く人間がいないため、「能天気な若者たち」をエサとして登場させることができない。
…別にそれがモンスターパニック映画では必ず要るってわけでもない気はします。
希少種のワニ目当ての密猟者グループも出てきますし彼らが喰われ役になれば済む話。
しかし本作のスタッフはそれだけでは物足りなかったらしく、かなり無理のある手法で能天気な若者共を強引に危険地帯に招き入れます。その方法とは…
①トラブルでフェンスのゲートが開いてしまう
②別の安全な湖に高校生たちがキャンプへ向かう
③そのバスの運転手がスマホでエロ動画に夢中になって道を間違える④開いてるゲートを通過(誰も気付かない)
コメディ仕立てになっていない本作においてここは異常なほどバカっぽすぎて
ちょっと浮いてるシーンでした。
そこまでしてティーンエイジャーをワニに喰わせたいんですかね…
というかあんなつまらん動画のどこにそんな夢中になる要素があったのか?
マニアの考えることはわかりません。
こんなしょうもない動画なのに…
わき見ってレベルじゃない。バカでヤラシイのにどこか微笑ましい、すごくいい表情。
この後タマを噛まれるのはもう予定調和
本作のワニ、CGは今まで通り出来は大して良くありません。
が、陸上を激しくダッシュしたり、子ワニの群れがピラニアっぽく獲物を食い荒らしたり、
プレデターっぽくワニ視点で獲物を追ったりとなかなか見せ方がいいです。
人間に喰らいつく場面も派手な感じで大変よろしい。
今までのワニよりも勢いがあり確実に
「強い」という印象を持ちました。
これくらい暴れてくれれば、変な特徴付けがない普通のワニでも充分魅力的に見えますね。
とはいえ、保安官の娘がもっと強かった…
読書大好きで線の細い大人しい子、というキャラクターなのに
ワニの噛みつきを素手で防いだり、麻酔銃の柄でワニをボコボコにしたり、
斧でワニの頭を叩き割ったりとむやみに強靭なフィジカルを見せつけます。
まあ、ワニが弱く見えないギリギリの線で抑えているとは思いますが…
一見同行者の男の子に守られているような雰囲気なのにそうでもない。
という具合にほんの少し捻りが効いていたり、
ワニに餌をやるのが好きな血族としてフレディ・クルーガーの人が出てるのにワニに餌をやらないとかいう変な要素もありますが、
大量の血しぶきや首チョンパ、色々丸出しな女の子たちなど
この手の映画でよく見られるものは大体揃えてある、
真面目に作られた普通のモンスターパニックです。
個性という面では物足りないが2作目ほどではないので
まあまあの評価をしてもいいのではないでしょうか。
サメ映画で言えば「
処刑鮫」ぐらいの面白さはあるでしょう。
危険地帯から脱出してメデタシメデタシなので
結局あの湖はワニだらけのままファイナル。
レイクプラシッドリターンズとか出てもおかしくないかもしれません。
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