製作:2003年アメリカ
発売:クロックワークス
19世紀に沈んだ沈没船。財宝が積まれていたその残骸には、しかし周囲に棲みついたサメの群れによって回収不可能となっていた。そして現代、ビーチの警備員であるワグナーは海水浴場に出没するサメの対処に苦悩していたが、観光収入しか頭にない市長との衝突も絶えなかった。そのうえ、財宝を狙うロシア人マフィアに目を付けられてしまう。
せっかくのお盆休みだというのに、雨ばっかりでどこへも出かけられない。
これは呑気に遊んでないでサメ映画を観よという神の啓示に違いありません。
そういえばこれはちょっと古いけど観たこと無かったな~と思って借りてきたはいいんですが、いやこれはキツかった。冗談抜きで鑑賞中に激しい頭痛と吐き気に襲われ、鎮痛剤に頼りつつも何とか最後まで見終えたはいいけどその後ベッドに倒れ込み、数時間起き上がれないぐらいに具合が悪くなりました。
本作は製作年が2003年ということを考慮に入れても芸のないシナリオのサメ映画です。なんせビーチを閉鎖したくない市長とサメの被害を防ぎたい警備員の諍い、そしてビーチフェスティバルを開催したい市長とサメの被害を防ぎたい警備員の諍いがメインなのです。街の経済、市民の雇用と人命はどちらが大事なのか。永遠のテーマかもしれませんが、二千回ぐらい観たことのあるパターンです。ほんのちょっとだけヒネリがあるのは、ビーチフェスティバルの出資者がロシアンマフィアであり沈没船のダイヤを狙っているという部分だけ。どうでもいい。激しくどうでもいいと言わざるを得ない。全然ディープじゃない。
それでもなお本作から美点を見出そうとするならば、
サメの襲撃シーンが実に豊富であるということだけは確かです。それはもう頭から尻尾までみっちり詰まってます。ビーチ警備員のワグナーが無能ということもあって、子供を含むかなりの数の観光客がサメに喰われることになります。
↑しかし忘れてはいけない。本作がNU IMAGE社製作であることを。
いつも通りの資料映像の切り貼りを駆使したシャークアタック映像。
↑いくらなんでも同じ資料映像を使いまわしすぎじゃないだろうか。普通の人だったらキレますよ。そりゃNU IMAGEも潰れるわ。いやまだ存続してるか知らないけど…。
今年になってからだけでも20回ぐらいは観た映像です。どうせ使い回すにしても「ディープライジング コンクエスト」みたいに少しはイジってほしい。何であの映画だけ微妙に創意工夫してたんだろ。
サメが人を襲うシーンが大量にあるのは素晴らしいことですが、恐ろしいことに既出じゃない映像がほとんど見当たらない。なんとか本作ならではのオリジナル要素を見出そうとしましたが、サメがやたら「ガオー」と吠えてるところぐらいしかない。うるさい。
↑かと思いきや、使い回しではないと思しきサメの襲撃シーンをかろうじて発見。
0.5秒にも満たない、ほんの一瞬のことでしたけどね。マニアの目はごまかせない。ビニールかハリボテか分からんけどやけにつぶらなお目目がスタッフの手作り感を醸し出しておられる。
まあ本作は本来「ながら観」が適切な鑑賞法なのではないかと思えるくらいには手抜きも甚だしいクソサメ映画なわけで、そんなものを目を皿のようにして集中して観ていたせいで体調を崩してしまったような気がします。激マズ料理を必要以上にじっくり味わってしまった感じ。
NU IMAGE社製サメ映画の中でも「
シャーク・イン・ベニス」以上「
インパクト」未満といったランクに位置すると思われる程度の出来ではありますが、油断すると痛い目に遭うのでご鑑賞の際はお気を付けください。
なお、万一NU IMAGE社に興味がわいた方がいたとしても「
ディープ・ライジング コンクエスト」一作だけ観ておけば充分すぎるということも念のため付け加えておきます。