製作:2017年アメリカ
発売:松竹
ソーヤー家の末っ子として生まれ、幼い頃から異常殺人鬼の家で育てられたジェド。しかし、5歳の時に保安官の娘が殺害された事件を切っ掛けに青少年更生施設へと入れられる。10年後、施設で暴動が発生し患者たちが逃亡。ジェドたちも施設スタッフを人質に取り逃げ出すが、追手は娘の復讐に燃える狂気の保安官だった。
トビー・フーパー監督って2017年に亡くなられていたんですね。全然気が付いてませんでした。悲しいなあ。「悪魔のいけにえ」は狂気が滾りすぎてて逆に素晴らしい映画として祭り上げられましたが、個人的には2作目の方が狂ってると感じましたね。
本作はそんなフーパー氏最後のプロデュース作品ということで、「悪魔のいけにえ」の正式な前日譚だそうです。
っていうか、前日譚は「テキサス・チェーンソー・ビギニング」でやりませんでしたっけ? あれはあくまでリメイク版である「テキサス・チェーンソー」の前日譚であって、オリジナル版「悪魔のいけにえ」とは全く無関係ということですか? 何だかややこしいなあ。
「悪いけ」に出てくるレザーフェイスの名前はババ・ソーヤーだったと記憶しているのですが、調べてみると「テキチェン」のレザーフェイスの名前はトーマス・ブラウン・ヒューイットと言うようなのでやはりこの2人は全く別物のようです。
しかし、本作のレザーフェイスの名前はジェド・ソーヤー。苗字は合ってるけど名前が違う。わけがわからん。
ところで私は「テキサス・チェーンソー・ビギニング」の過剰な残酷描写にちょっと引いてしまった記憶がありまして、本作はR18+ということでさらに強いエグ味があるのかなあなどと恐る恐る鑑賞したのですが、そっち方面は全然大したことがありませんでした。ホッとしたようなガッカリしたような。でもこれでR18+だったらビギニングはR100ぐらいになってしまうと思うんですけど。基準が変わったの?
で、同じ前日譚と言えども本作は「ビギニング」とは全く違ったストーリーになっているのですが、前日譚である以上はいかなる争いが起きようとも「ソーヤー家大勝利」という結末はどうがんばっても動かせないわけです。このシリーズは大体そうですが、巻き込まれた善人たちは無茶苦茶酷い目に遭って死にます。
それでもビギニングほどムゴイわけではないし、レザーフェイスかっけー!という視点で観る分にはそれでも問題ないかもしれませんが、やっぱりストレスが溜まる仕様。救いが無さ過ぎる。
スティーブン・ドーフが演じる狂気の保安官は2作目のデニス・ホッパーを彷彿とさせるキャラクターではありますが、あちらほど頑張るわけでもなければ笑いも無いし気の毒なだけでカタルシスが何も無い。
あと、「レザーフェイスが生まれるまで」を描いている関係上、当然ながら最後の最後になるまでレザーフェイスという殺人鬼は出てきません。なので実はあんまりレザーフェイスに萌えることも出来なかったり。
↑青少年更生施設から脱走した5人組。映像的に妙に小奇麗で爽やかな逃亡劇。まあみんなものすごいキチガイですが。右から2番目の人だけは心の綺麗な施設スタッフで、巻き込まれているのが気の毒で仕方がない主人公ポジション。でも逃げ出すチャンスは結構あったように思う。何か見覚えがある顔だと思ったら「
アンツ・パニック」とか「
ロボシャーク」に出ていたヴァネッサ・グラッセという人でした。代表作が「ロボシャーク」から脱却できそうでよかったなあ。
ビギニングとは違い、本作のレザーフェイスは生まれながらのサイコキラーという雰囲気ではなく、あくまで劣悪な家庭環境によって歪められたという風になっていました。これはロブ・ゾンビ版「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズに近い感覚。アメリカではその方が共感を呼ぶんでしょうかね。私としてはマイケルもレザーフェイスも理屈無し生粋のサイコキラーであったオリジナルの方が好きですね。
ということで、大人しすぎて狂気も笑いもありませんが、その代わり普通に出来は良いしちょっとした趣向を凝らしてあるのでボチボチ楽しめました。過剰な期待さえしなければ割と誰でもいける間口の広いホラー映画かと思います。