2016年アメリカ映画。
東欧にある架空の小国に、通信インフラの売り込みに来たガブリエルとジェームス。
商談中に軍事クーデターが発生してしまい、彼らはたまたま重傷を負った大統領を保護。
しかし、彼らが滞在するホテルをクーデターの首謀者と軍が占拠してしまうのであった。
これは…無茶苦茶地味。
クオリティとしては、年老いてからのヴァンダムやラングレンが主演しているB級アクション映画と同じくらいです。「ザ・コマンダー」とかあの辺のね。
このトム・ホッパーという人ももうちょっと知名度があれば、
日本でもDVDくらいは出たのかもしれませんが、本作は今のところNETFLIX配信のみです。
よっぽどのマニアか暇人でもなければ本作を鑑賞することはまずないんじゃないでしょうか?
東欧の美しい大自然。例によってこの絶景が一番の見どころです。
キルレシオとはどういう意味なのか?
調べるなんてめんどくさいことはしませんが、
たぶん主人公のジェームスは単独で敵をいっぱい倒せるすごい兵士だよ、ということでしょう。
別にそんなもんタイトルに持ってくるほどの言葉でもない。
なんてタイトルにしたら良いのか思いつかなくて困った感すらあります。
そんなジェームス役のトム・ホッパーさんですが、
ものすごい高身長です。2メートルぐらいありそう。
そのうえ素晴らしく引き締まった細マッチョな肉体をお持ちのイケメン。
アクションスターとしての素質は充分ありそうです。
まあ、そのアクションシーンが大変イマイチでしたけどもね…
どいつもこいつも打撃が全く当たってないのが丸わかり。そして動きがトロい…
別に本当に当てなくてもいいけど、いくらなんでももうちょっと当ててるように見せてほしいものです。
チャンバラもあるけどそっちはより悲惨な出来栄え。
銃撃戦は銃撃戦で、なんとなく撃ち合って何となく敵が死んでいく系の雰囲気アクション。
銃を持ってるのに撃たずにノコノコ接近してくる雑兵。
一般人にあっさり銃を奪われる雑兵。
タバコ吸いたいと言えば外に出してくれる優しい雑兵。
そりゃジェームス君のキルレシオも高くなりますわ。
「クーデターが起こった直後にたまたま負傷した大統領を保護した」という都合の良すぎる話の流れを筆頭に、本作のストーリーも設定も突っ込みどころ満載ではあるのですが、こういった脳筋アクションで重箱の隅…でもないけど、そこをつつくのも野暮。そこはいいんです。
しかし、ジェームスの正体も目的も何もかも最後まで不明というのはいかがなものか。
全ての点で平凡極まりない本作において、唯一個性というか趣向を凝らしたであろうポイントなんでしょうがこれのせいで逆にノレないという悲しさ。
NETFLIXの説明文では一応「クーデターを阻止しに潜入したCIA諜報員」とはありますが。
それにしては大統領が助かったのが偶然すぎるからなあ…
たった一人で軍事クーデターを阻止するつもりだったと言われてもねえ…
軍事クーデターを起こした将軍がなんでホテルを占拠するのか?
という点では「ここには特別な意味がある、将軍にも大統領にも」
…なんて伏線を意味深に張っておきながら、最後まで何の説明も無かったような気がする。何でもいいからそれはスルーしないでほしい。
ということで誰がどう見ても微妙すぎるB級アクション映画でした。
こういうのが一番反応に困るんだよなあ。
配給会社がDVDを出すに値しないと判断しただけはありましたね。
まあ、これよりはるかに劣るクオリティの「
ザ・エクスペリメンター」とか「
インデペンデンス・デイ2018」のようなク〇映画でもちゃんとDVDが出ていることを考えると大変複雑な気持ちになりますが…。