プライムウェーブから配給された今月の新作。
2017年製作のイギリス映画です。
「プライムウェーブレーベル≒地雷」という法則はもはや常識かと思いますし、
私もクソ映画ウォッチャーの端くれとして、
月イチでプライムウェーブさん主催の悪魔崇拝儀式に約400円を払って参加することにさほど抵抗はないのですが、
それにしても想定を超える苦痛度でした。
私はあくまでも変な物を眺めるのが好きなのであって、
決して苦痛を喜びに変える類の人間ではありませんので、
さすがにこのレベルの映画には耐えられない。
私も相当数のクソ映画を漁り倒してきた歴戦の戦士という自負がないこともないので
ちょっとやそっとのクソ映画では動じないのですが、
これは無理です。
まさか「
インデペンデンス・デイ2018」よりも圧倒的に面白くないものを見つけてくるとは…。
プライムウェーブ恐るべし…
自分の限界を思い知らされました。
「今の自分はどんなクソ映画にだって耐えられるんだ!」
という驕りを、とりあえず今は恥じたいと思います。
それにしても、本作を最初から最後まできちんと全部観れた人はいるのでしょうか?
何とこれ1時間46分もあるんですよ。
尋常ではないボリューム感!
どれだけ観ても終わらない、無限にも感じられるほどの長尺!無間地獄!
ストーリーとしては、
記憶を無くした女性と教授が、
顔に布を巻いたゾンビがうろつく地下施設から
脱出しようとする。みたいな話です。
舞台はずっと地下施設なので背景は常に真っ暗かコンクリートの壁だけ。
学芸会っぽい演技でこの2人が何を言いたいのかわからないような
グダグダしたやり取りを30分続けたあたりで、
大抵の人の心は折れると思います。
たぶん8割ぐらいの人がディスクを取り出す時間でしょう。
低予算と言っても限度があります。
私も容易に「Z級映画」認定するのは好きじゃないのですが、
さすがにちょっと「Z」の文字がチラつきます。
しかし、映画と言う娯楽は
100億円かけた超大作だろうと、
10万円で作ったZ級だろうと、
観客・視聴者側はどちらも同じ料金で鑑賞する、というある意味特異な娯楽でもあるのです。
製作コストが対価に全く反映されない。
だから低予算だからという言い訳をしても意味がない。
「あるもので戦うしかない」わけです。
このレベルのクソ映画になると、
「キッチリ全部観る」ことがあまりにも困難を極めるため、
それ自体が
偉業と称されてもおかしくない。
私は本作を鑑賞中に何度も何度も意識を失いましたが、
その分を巻き戻してまで見直せなかった。スルーしちゃった。
あの「
デビルシャーク」ですら全部鑑賞できたのに…
映像も話もクオリティ自体は「デビルシャーク」よりは明らかにマシなのに、
総合的には「デビルシャーク」をも圧倒するつまらなさ。
何よりも1時間46分という長尺の破壊力が凄まじすぎる。
裸で雪山に放り出されても1時間15分ぐらいならまだギリギリ生きていられるかもしれないけど、
1時間46分は確実に死に至るでしょう。そういうことです。
本作は薄暗い地下施設が舞台ですが、
終盤で話のスケールが地球規模に広がったりします。
布を顔に巻いたゾンビは、
「科学者が世界に穴を空けた」せいで出てきたらしく、
その親玉は異世界からやってきた巨大なバケモノ。
しかもそのバケモノはなんか異世界の言語を話します。
で、それが字幕としてご丁寧に表示されたりします。
このシーンだけは多少面白味を感じなくもないです。複雑な絵文字に強いこだわりを感じる。
しかしここまでたどり着いたクソ映画マニアがどれだけいることやら…
ダンボール99%のダンボール肉まんを食べていたら、
芯にひとかけらだけ本物の肉が入っていたかのようなご褒美シーンでした。
ということで、本作は誰も観ない方が良いと思います。
そうじゃないと、プライムウェーブさんがまた張り切って凄いクソ映画を持ってきそうで怖いのです。
尖ったものを追い求める、オンリーワンの存在を目指す、客に媚びない、
それはそれで結構なことですが
「何事にも限度がある」
ということだけはわかってほしい。
クソ映画の尺はどんなに長くても1時間20分まででお願いします。
誰だか知らんけど、多分迷惑してると思うからこんな映画捧げない方が良いと思うよ…