金髪美女を森に誘い込み、なぶり殺しては楽しむ高校生グループ。
だが、その日狙いを定めた少女は、殺し屋としての教育を受けた
格闘マシーンであった…
っていう話なんですけどね。
ジャケットには
「第79回アカデミー賞助演女優賞」とデカデカと書いてあるんですが、当然こんな映画がアカデミー賞をとるわけないし、
主演のアビゲイル・ブレスリンは昔1度ノミネートされたことあるだけだし、
二重の意味で詐欺くさい。
これはさすがに訴えられたら負ける気がします。
そんなヒマ人がいるわけないけど。
本作は、まずアイス大好きな金髪美少女アビゲイル・ブレスリンが殺し屋としての厳しい修行を積むところから入ります。
トレーナーの男は意味深に自らの背景を見せたりしますが断片的すぎて結局何も分からず。
ストーリーなんてどうでも良いタイプの映画なので、観るべきところはアビゲイル・ブレスリンの格闘シーンだけ。分かりやすくて良いですが、そこに行くまでの小一時間がなかなかの苦行です。
何といっても脇役の演技がオーバーすぎるし、カメラワークがただ撮ってるだけっぽいし、
BGMもほとんど無いし、照明も何だかその場の人にスポットライトを当ててるような感じ。
映画というより場末の演劇を見ているような感覚。何というか、つまりC級映画です。
仮にもアカデミー賞にノミネートされるような女優が何でこんなC級映画で孤軍奮闘しているのか?ペットの犬でも人質に取られていたのか、監督と友達なのか…
まあそれはともかく、アビゲイル・ブレスリンさんも特に本作のためにトレーニングなどはしていないと見え、露出するとだいぶプニプニしたお肉を見せてくれます。こういうポッチャリ系が好きな人もいることでしょう。が、そんなんで大した格闘アクションなんて出来るわけもなく、カット割りでごまかそうとしても悲しいぐらいごまかしきれてない。エルボー当たってない。
そして厳しい訓練を乗り越え、いよいよ伝授される最終奥義は
「裸締め」確かに強い技かもしれませんが…地味すぎません?
そんな正義の私刑執行人に今回選ばれたのは、金髪美女専門の殺人高校生集団。
満面の笑みで斧を舐める厭らしさはそこそこ評価したいところ。
…しかし、夜の森でボロいソファーに座ってゲームをする、
なんてくそ面白くなさそうな集まりに誘うとか、
引っかかる金髪美女の方もどうかしてますね。
アビゲイル・ブレスリンが何も知らないフリをしてあえて誘いに乗っていくわけですが、
本当につまらなそうでいたたまれない空気が漂ってました。会話の間が持たない感。
こういうシーンを観るのは別の意味で辛い。長いし。
そんなつまらないゲームをこなした後、やっと男子高校生どもが
本性を表して牙を剥くのでした。
が、武器を持っているのはさっきの斧野郎だけで、あとは素手。
何だその変な構えは…
と突っ込みたくなるような奴に文字通りスポットライトが当たり、
アビゲイル・ブレスリンがケンシロウよろしく指をバキボキならしながら一人ずつ格闘して倒していきます。
どっちもスゲー弱そうで何ともはや。
リーダー格のキザな男とは、お互いボクシングスタイルで対峙。
しかし決め技はやはり裸締め。
裸締め最強なりという教えを忠実に守るアビゲイル・ブレスリン。
でもそんなプニプニした腕で裸締めされてもなあ…
多分余裕で外せると思う。何でこの技をチョイスしたし。
っていうかそもそも何で素手にこだわってるんだろ?
あと報酬はアイスじゃないんか。
…ということで、普通に弱そうな女殺し屋が
人知れず弱そうな犯罪者を狩る。
ある意味インパクトはありますが、
これって「
EMMA/エマ デッド・オア・キル」とほとんど同じじゃない?
…と思いましたが、製作年度はこっちの方が先。
まあ別にパクられたわけでもないでしょうが。
クオリティとしては多分「EMMA/エマ」の方がましだと思われるので、似たような内容で迷ったならそっちを見た方が良いでしょう。
よっぽどのアビゲイル・ブレスリンファンでなければこっちを観る理由が思いつきません。