製作:2019年アメリカ
発売:キュリオスコープ
好奇心旺盛な少年クリスは、ある日何となく入った骨董品屋で店主のじいさんに奇怪な箱をもらう。帰って開けてみるとそこにはでかいタマゴが入っていた。暖めて孵化させてみると、恐竜の赤ちゃんが生まれる。クリスは恐竜にアルバートと名付け可愛がるが、マッドサイエンティストに連れ去られてしまう。
「A-X-L」に続いてまたしてもジャリ向け映画を掴まされてしまいました。何てこった。
いや、パッケージですぐ分かるだろ?
…とお思いでしょうが、これライアン・ベルガルド監督作品なんですよ。
そう、あの悪夢的珍作「
グレムリン2017」や「
ジュラシック・ユニバース」で有名なあのライアン・ベルガルド大監督です。あれだけインパクトの強い糞映画で私を幻惑してくれたクサレ脳みその新作とあっては借りないわけにはいかないじゃないですか。というか、お子様向けの映画なんかとてもじゃないけど撮りそうにない人物だという確信があったので本作も上辺はこんなんでも何かしら爆弾を仕込んであるだろうという期待があったんですよね。
ところがなあ…開けてビックリ爆弾なんて何もなかったという…
本作は信じられないことに本当に単なるお子様向け映画でした。
なんでこんなモンをいい年こいた大人が一人で観なきゃならんのか。空しいにもほどがある。
内容的には大して何も言うことは無いです。
それまでの糞映画とは一転して本作は毒気が全くなく、本当に純真無垢な恐竜ファンタジーアドベンチャーとなっています。
小学校低学年のお子様をお持ちのご家庭であれば、何の問題も無く団欒の時にちょっとした彩りを添えてくれると思われます。
なので別に悪い映画ではないです。
私がそのようなファミリー層とは真逆に位置する孤独なクソ映画マニアなのがいけないだけです。
↑タマゴを暖めているつもりらしい。こんなんで孵化するのか?
というような突っ込みどころはたくさんありますが、ジャリ向けファンタジーと言われると、そういうのは不思議な出来事として処理しないとヤボなのではないかと後ろめたい気持ちになってきます。
ただ、主人公の少年クリスと恐竜との絆がイマイチ弱いように感じたのは気のせいではないでしょう。全部たった1日の出来事だし。彼らは博物館やスーパーで追いかけっこをしてただけ。
そのせいで最後のお別れのシーンも、いくらでもお涙頂戴できるはずなのにやたらアッサリしていて、全く何も感情を動かされることがありませんでした。悪役のマッドサイエンティストも大して良いキャラでもないし何の報いも受けませんしね。何という毒にも薬にもならない無難さでしょうか。色んな意味でライアン・ベルガルド監督作品らしくなさすぎる。「グレムリン2017」を撮ったクサレ脳みその仕事とはとても思えん。同姓同名の別人じゃなかろうな…
まあライアン・ベルガルド監督にはこういうジャリ向け映画はこれ1作限りにして頂いて、次からはまたインパクトの強い糞映画を撮ってほしい。
そう思ったのですが、何と本作は第2章に続くと予告が…
どうやら我々クソ映画マニアとアダム・ハンプトンはライアン・ベルガルドに見捨てられてしまったようです。クソ映画界の有望な大型ルーキーだと思ってたのに寂しいなあ。