「久しぶりに集まった友人6人組。
クルーザーに乗り込み海上でのバカンスを楽しむことに。
テンションの高まった彼らは次々と海へと飛び込むが、
何とハシゴを下ろしていないことに気付いたのは全員が飛び込んでしまってからだった…」
というクッソどマヌケな話ですが、ものすごい既視感ありますね。
何しろ「オープン・ウォーター2」と全く同じですからね。
なんだそりゃと思って公式HPを見たら、脚本が同じ人なんですね。
つまり本作はその焼き直しってことですか?
まあ私は「オープン・ウォーター2」を予告編しか観ていないので別にそれでもいいんですが。
あれサメ出なさそうだったから本編観なかったんですよね…と思ったら案の定…。
↑ハシゴを下すのを忘れて全員飛び込むとか、そんなアホが本当にいるんですかね?
しかも船に赤ん坊を残したまま。車に赤ん坊を残して閉め出されちゃった「
ロックダウン」も似た状況だったけどよっぽど色々な偶然と不注意と悪意が重ならないとそんなことにならないし、実際に似たような事件があったとしても「馬鹿すぎる」としか思えない。
ハシゴが無いと本当に絶対船に戻れないものなのかどうかも微妙ですが、とにかく本作はアラサー6人が船の周りをプカプカ浮いている間に喚きながら自滅していくだけの地味な映画です。何で死んだのかわからない奴もいれば、死ぬ場面すら映らない奴もいます。勝手に頭打って死んだ奴にはもうほんと呆れました。
それでも私は最後の最後まで希望を捨てずに鑑賞していたんですがね。
サメが出てくるという希望を…
しかし、何と本作はサメどころか人間以外の生物が一切出てきません。
魚一匹どころかあらゆる海洋生物が映らない。ここは死の海ですか?
あまりにも徹底しているのでおそらく映画的に何らかの意味があるのだろうとは思いますが。
ただただ純粋に不注意な人間の業の深さを見せたいとかそういう感じなんでしょうか。
そんなもん別に2回も作り直すほど素晴らしいものでもないということに気付いてはくれないのか。
もう何でもいいんですが、本作の登場人物たちも遭難前からえらくギスギスしていて仲が悪く、観ていて気持ちよくない。何でそんな仲悪いのに無理して集まってんの? 遭難してからは当然のように男も女もヒステリー起こしまくりで険悪さに拍車がかかります。この手の映画はどうしていつもこうなのか。特に本作はひどい。このシチュエーションだと一番悪いのが「
最後に飛び込んだ奴」と極めて明確なのでみんなでそいつを責めまくりです。さすがにイヤミなクソアホ野郎でも責任逃れのしようが無く、言い訳もできず終始大人しくサンドバッグ化しています。いくらなんでもかわいそうではないか? やってしまったのはしょうがないんだから文句言うのは助かってからにしときなさいよ…。だいたいそいつははじめは泳ぐこと自体を止めてたんだし責任をこれでもかと皆で一人になすりつけるのはほんとどうかと思う。ハシゴなんて最初に飛び込む奴がおろしておいても良かっただろ。
たまには本当の仲良しグループが真の友情と努力で助かろうとするパニック映画を観たいものですね。
で、「人喰いサメの恐怖」ですが、一応ないこともないんですよ。
「今私の足に何か触った!
きっとサメよ!」って騒ぐシーンがありますからね。
騒ぐだけですけどね…。
「サメ」は出なくても「サメの恐怖」には違いない。
いやー、騙されたなあ。
でも一応、詐欺ジャケではないということです。
引っかかった私が全部悪いのです。
…でも「救命具なし」というのはどうかなあ?
主人公はしっかりつけてたじゃん?
まあそれはどうでもいいんですが、ラストは一体何をしていたんでしょうかね。
夜で暗くてよく見えなかったんですけど。
何かよく分からんがそんなこと出来るならもっと早くやっとけ!としか思えなかったんですが、あれは最後の最後じゃないと出来ない理由でもあったんでしょうか? 納得いかないなあ。
結論としては、そこまでひどくはないが別に良くもない程度の海洋サバイバルB級映画だったと思います。よく似た状況でもサメに追われる恐怖を描いた「
赤い珊瑚礁」の方がおそらく数千倍は面白いので、個人的にはそちらをオススメしておきたいところです。