ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ロックダウン 感想(ネタバレあり)





思ってたのと全然違った…

というのは詐欺ジャケットが横行するレンタル映画界においては
日常茶飯事ですが、なかなかここまで酷いのはないでしょうね。
私は基本的に前情報は仕入れずに映画を観たい方なのですが、
苦手なPOV形式の映画をうっかり観てしまわないように、少しは紹介文もチェックしています。
本作の場合、




(Amazon内容紹介より)
迫りくる殺人マシンから、生き延びることができるか!?『激突!』以来の衝撃!殺人カー・ムービーの新たなる傑作が誕生!
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
モンスターカーの恐怖を描くパニックアクション。


なんて書いてあるもんだから、呪われた車が無人で暴走するパニックホラー「クリスティーン」とか「ザ・カー」みたいなやつの人工知能版だなと思ったのに…。
迫りくる殺人マシンも何も、この車ほとんど動かんし。
全然違うにも程があるっていうか宣伝担当は確実に中身観てないですよね。


ということで本作は、
無人の荒野でうっかり車から締め出されてしまったマヌケな女性が
だいぶ困ったことになってしまう一人パニック・ムービーです。
「車に入れねえ!」というトラブルがメインなので暴走とは真逆の内容、
というかこの女が一人で暴走してるだけじゃねえか!という内容です。



主演のカトリーナ・ボウデンさんという人はアメリカでセクシーな女性第1位に
なったことがあるそうです。
私は「ピラニアリターンズ」で体内にピラニアを入れたまま彼氏と事に及んでしまい大参事に陥ったバカ女の役でしか彼女を見たことがありませんが、本作ではそれ以上にバカな女の役です。
「セクシーな金髪女性=バカ」というイメージを擦り込もうとしてますか?
それともこれはやはり真理ですか?



まあ、それより制御不能な暴走未来カー「モノリス」の話ですが、外観はこんなのです。



フォードのエクスプローラーか何かに黒い厚紙を張り付けただけのような…。
しかし性能は凄まじいものがあります。
人工知能を積んでおり、すでに自動運転レベル4まで到達している様子。
セキュリティも万全でチンピラに絡まれても安心です。
そしてスマホで遠隔操作が出来ます。


こんな凄い未来カーに乗っている主人公サンドラは、
幼い息子を連れて実家に泊まろうとしたのに、
テレビ電話で色々しゃべってるうちに夫の浮気を疑い始めて
ロサンゼルスへ行こうとしたところからミスの連鎖が始まります。


一体どれだけのミスを重ねれば、
「無人の荒野で息子と車のキー(スマホ)を車に閉じ込めたまま自分だけ車外に締め出されてしまう」なんて悲惨な状況に陥るのか
一つずつ検証していくとだいぶ長くなってしまうので省略しますが、
「呼吸器系の疾患を持った息子がいるのに車内でタバコを吸う」
というのはちょっと擁護できないぐらい酷い要因です。
っていうか下手すると虐待の範疇に入りません?


そんなサンドラは熱中症になりかけている息子が乗ったモノリスから
締め出され、どうしても乗れないので雄叫びをあげてスパナでボコボコにしてみたり
煙でいぶしてみたり色々しますが何もかも通じません。
迫りくるバカ親から幼児を保護すべきとモノリスのAIが判断したんじゃないか?
というようにも見えてちょっと面白いところです。


しかしそれでも開かないと悟ると、今度はモノリスを崖から突き落とします。
ああ、もう助からないから諦めて心中するんだな…
と思ったんですが、崖から落としたショックでモノリスのドアが開きました。
何だそれ…。
岩場の高い崖から落としても凹みも何もなく、乗ってる子供も無事とか…
さすが世界一安全な車です。
しかしクラッシャブルゾーンの概念もないようですが一体どんなテクノロジーなのか?
潰れる余地のない固い車は衝突時、乗員に大きなダメージを与えてしまうのは常識だと思っていたのですが。
さらにそのあと、45度はありそうな岩場の急斜面を苦も無く登るという驚異のオフロード性能までも見せつけてくれます。あんな険しい崖から落とした後なのに乗員だけでなく車そのものも無傷で元気に走れるとか凄すぎます。タイヤもエアレスなんでしょうかね。


AIだけじゃなくて耐久性も走行性能もそんな凄い車だったの?
ということがこの時点で初めて分かるので後出し感が強い。というかSFだったんですね。
なので、このバカ親がどれくらいの覚悟で崖から落とすなんて奇行に出たのかも理解出来ず。


結局このバカ親の独り相撲を延々と見せられ続けたあげく、
出た結論は「モノリスは凄い」ということだけ。
自動運転や進化したAIなどに対する警鐘など全くなく、
殺人モンスターカーとの熱いバトルなども当然全くなく、
単にトラブルの発生と解決を見せるだけの空虚な映画でした。



まあ、「車のキー閉じ込みには気を付けよう!特に子供がいて炎天下の時はね!」
という教訓だけは得られるので
パチンコ好きな奥さんと小さなお子さんをお持ちの方はご家族で鑑賞されてみてはいかがでしょうか。



…で、結局夫の浮気は本当だったんでしょうかね?
トラブルの最初の切っ掛けなんで地味に気になるところなんですが…。

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プロフィール

HN:
岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
krgm200@gmail.com

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