製作:2018年アメリカ
発売:キュリオスコープ
西暦2248年、太陽は死にかけており、地球は崩壊の道を歩んでいた。
戦う力を持つ者たちに、太陽を復活させる鉱石”スターダスト”を探す任務が託された。
しかし、選ばれし5名の超エリート戦士たちがやって来た惑星で彼らを待っていたのは、凶暴なエイリアン「陽喰者(ドーンシーカー)」であった。
ジャケットがね…
このクソ映画にすごく似てると思うんですよ。
これは酷かった。本当に。
なので本作も警戒心MAXで鑑賞しようとしたのですが、よく見ると監督がジャスティン・プライス大先生ではないですか。
そう、あの難解すぎる珍作「
エイリアン・ファイナルカウントダウン」を撮ったお方です。
ということは、もしかして本作はまさか待望の「エイリアン・ファイナルカウントダウン」(長いので以下エイリアンFC)の続編なのでは!?
「エターナルの生き残り ザン・デサイ」!!!??
と思ったらマジで続編でした。これには驚愕。エイリアンFCの時に「逆に続編が観たくなった」とは言ったものの、まさか本当に続編が出るとは夢にも思わなんだ…
しかし本作が「エイリアンFC」の続編だと即座に気付いたのは日本全国でも私1人なのではないかという気がします。つまり上のセリフは私以外の人…とまで言わなくとも前作を把握していない99.99999%の人にとっては完全に意味不明。なんてこった。こういう下らないことに関してだけいかんなく発揮される自分の記憶力の良さには我ながら感心します。1年半も前に観たC級映画の固有名詞をいちいち覚えているとは記憶容量の無駄遣いもいいところ。
そんなことはさておき本作の内容についてですが、基本的にはあの「エイリアンFC」と似たようなノリです。つまり、かなり壮大なサーガの一部であるような体裁の物語であり、裏設定が凝りに凝っているようなセリフ回し。しかし映像的には退化してるような気がします。太陽に行こうとしたり、スペースアークとやらに行こうとしたり、タイムトンネルに入ったりしようとしますが舞台はほぼその辺の林の中だけってのが悲しい。ただ未来人のコスチュームは頑張って手作りしてるようで好感は持てます。
本作に出てくる固有名詞は、「陽喰者(ドーンシーカー)」、オミア・プライム、太陽フィールド、スペースアーク、氷の刑務所、ブラック・サンズ、等々…
ちなみに上述した「エターナル」とは血管内で暗黒物質を操るジェダイ的な戦士の称号です。多分。
しかし本作は壮大な背景事情を匂わせながらもストーリーそのものは単純化されており、太陽を復活させるために陽喰者と闘いながらスターダストなる鉱石を探す…と実に分かりやすく観やすく進歩しております。陽喰者とやらがバリバリ出てきて人間をしっかりブチ殺してくれるのも前作を鑑みると大変な進歩です。
↑陽喰者(ドーンシーカー)
…の幼体。
これはCGではなくまさかのストップモーションアニメです。
成体よりずっと強そうに見えるのですが、出番はここだけ。ストップモーションアニメを使ってまで出したかった理由が謎。
↑陽喰者(ドーンシーカー)
の成体。
珍しくジャケット通りの造形です。
こいつはかなりプレデターをパク…いやリスペクトしたような装備と侍魂の持ち主であり、プラズマキャノンやコンピューターガントレットらしきものを使ったりします。羽根らしきものがあるので多分空も飛べます。
宇宙連合のリーダー(?)との闘いはプレデターにおけるビリーのシーンとほぼ一緒でした。ここまでリスペクトしてるなら「オメガバトル:プレデター」って邦題にすれば良かったのに。
↑戦士と認めた獲物とはプレデターのパチモンらしく正々堂々と一騎打ち。
「氷の刑務所」を崩壊させたというレジェンド級のツワモノの猛ラッシュも平然と受けきります。どうでもいいけどこういうキャラが妙竹林な戦歴を持ってるところが実にジャスティン・プライス。彼の頭の中には「氷の刑務所」とやらに関する設定もかなり具体的に存在するであろうことが強く感じられます。
しかしながら、ラストはまたしても「やっとこれから盛り上がりそうだな!」ってところで突然終了します。野球で言えばまたしても9回裏ツーアウト満塁というようなクライマックスもいいとこでオワリ。
なぜ…なぜそこで終わる?
もしかしてまだ続編を作る気なのか?
この壮大な銀河の歴史を紡ぎ切るつもりなのか?
さすがの私もこのクオリティのC級映画を年単位のスパンで追っていくほどの変態ではないつもりなんですが…それまでこのブログが続いてたら観てしまうかもしれません。
ということで、「エイリアンFC」を観たという方は本作も少しは楽しめるのではないでしょうか。逆に観たことが無いと言う人は…前作とセットでどうぞ。