これはまたひどく難解ですね。
昨日見た「
エイリアンZ」も相当難解でしたがこれはそのはるか高みに位置してますよ。
500円払ったし、一応投げ出さずに1時間半そこそこ集中して鑑賞し切りましたが、
多分私は本作の内容を2%も理解できてませんね。
本作は一応CGにはそこそこ力が入っているし、
意味不明とはいえストーリーも密度が低いというわけではないので
スカスカ感はさほどありません。
内容の98%はシーンとした場所で無表情の人間がボソボソと意味不明な会話をするだけ
という拷問のような映画ですが、
監督的にはこれも重要な会話なんだろうな…と察することは出来るので
時間を引き延ばすことにばかり腐心して水で薄めまくっている虚無映画に比べれば
まだ楽しめる方ではあります。
が、そもそもこの映画がどこから始まって何を目指しているのかを
理解することすら一苦労します。
それでも何とか目的らしきものを説明してみますと、
「地球が滅びそうなのでDEMOという星に移住したいがエイリアンやウイルスが障害となっているので何とかしたい」
みたいな感じのようです。
序盤での会話の一部ですが、
「
DEMOの
スパイアを
エターナルが見つけ出し、
地球のスパイアと連動させれば
ターミナスを排除できる」
こんな短いセリフの中に何やら専門用語が4つも!これはゲームやる人ならあの
「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」を連想してしまうところですが、
とにかく監督が色々とこじらせているのがよく分かるセリフです。
一応解説すると、
DEMO…移住しようとしている惑星
エターナル…血管内で暗黒物質を操るジェダイ的な戦士?
ターミナス…ゾンビ化ウイルス?
スパイア…????
この映画はスパイアなるものが最終目的に深く関わるらしいのですが
それが何なのかは最後まで一切合切不明のままでした。
「彼女」と呼称されてたので生き物かと思いましたが
装置扱いしてる人もいるし動かすのに計算が必要らしいしやっぱわかりません。
↑大体こんな感じの会話シーンが本作の98%ぐらいを占めます。
どっかにスパイアの説明もあったのかも。
おそらく監督の脳内には壮大なサーガと膨大な裏設定があり、
本作はスターウォーズエピソード4みたいに途中の一部だけを切り抜いたつもり
であると思われます。
でも監督はグレッグ・イーガンとかを愛読しててスターウォーズはむしろ
バカにしていそうな感じ。多分。
ストーリーはそんなんですが、
ではエイリアンはどうなのか?
というと、一応
こんな感じのクールなヤツが出てきますが、
戦闘シーンは序盤の1か所しかありません。
それも主人公(?)のザンという女性エターナル(笑)にあっさりやられてしまうだけなので
本作のエイリアンもまたキルカウント・ゼロです。
コイツも人間以下の戦闘能力しかありません。最近こういう肩すかしばっか!
洞窟内でエイリアンの幼体みたいなのとエターナル(笑)たちが
戦闘するシーンも一応ありますが、ビームを乱射するだけで
どうなったのか分からずフェードアウト。ここら辺も最後もとにかく続編前提な雰囲気がします。出るわけないとは思いますが、そもそも本作が世に出てしまうぐらいなのでもしかしたら続編も出ちゃうのかも…。
ラストでは目的を果たして(??)、力尽きかけているっぽいザンに
別のエイリアンがゆっくり襲い掛かろうとしますが、
ザンが母との死別を感動的に回想して、キーアイテムっぽい指輪を取り出して、
呪文を唱え、何かとっておきの必殺技か何かを出しそうな感じに
音楽で盛り上げるだけ盛り上げて、派手なバトルを予感させて、
陰鬱なだけだったこの映画で初めてテンション上げてきたところで唐突に
終わり。何でそこで終わるの!?
何だこの9回裏ツーアウト満塁の時に牽制で試合終了したような残尿感は…。
ここまでやらかしてくれると、逆に続編が見たくなってきました。
C級映画ファンにすらちょっとオススメしかねる映画ですが、
これを読んだ人はぜひ新作料金でレンタルして彼らに利益をもたらしてやってください。
2019/6/2追記 まさかの続編が出ました「
オメガ:バトル・エイリアン」