製作:2014年アメリカ
発売:アルバトロス
クロコザウルスと共に海底火山へ沈んだと思われた地球史上最強生物メガ・シャークが再び復活した。手始めにエジプトのスフィンクスを破壊するメガシャークに漁師たちが震撼。
しかし、人類最強集団アメリカ軍はサメを模した最強戦闘兵器メカ・シャークを開発し、メガ・シャークに立ち向かった。
最近ひどい映画ばかり見過ぎてるので、たまには何かハリウッド大作でも何でもいいから普通にイイ映画を観ようかなあ…などと思ったのですが、レンタル屋に行ってもこれと言って借りたいものが見つからず、それではアマゾンのオススメに従おうかなと思っても出てくるのはアメコミヒーローものばかり。どうもアメコミものはいい大人が変に派手なタイツとかスーツ着てるのに妙に高尚な雰囲気を出してるのが理解できず入っていけません。
なので、結局今日もこうやって知能指数がグイグイ下がっていきそうなジャンク映画を観てゲハゲハ笑って過ごすしかありませんでした。にしてもこんな頭悪いのばっかり観てて大丈夫か?という不安が湧いてきます。それでもブログを書く事によってこういう映画にも何らかの価値を見出すことは出来るのだろうか…あるいはそれ自体が不毛なことなのか…もう…何も分からない…
…などと思い悩む私の思考とは関係なく、本作は開始そうそうメガ・シャークが復活し、それを受けすぐにメカ・シャークが発進します。何の説明もなく。
もはや「なぜ復活したのか?」を誰も気にすることもなく、「なぜサメを模す必要が?」などの疑問を差し挟む余地もありません。メガ・シャークが人類の脅威となったならば、米軍が対抗策としてメカ・シャークを開発するのは至極当然のこと。大いなる能力に目覚めたアメリカ人が決まって変な全身タイツ姿になるのと同じような現象ではないでしょうか。
↑はるか上空を飛行するジャンボジェット機に喰らいつこうと大ジャンプしたメガ・シャーク。
しかし、サメを模した最新兵器メカ・シャークもメガ・シャークと同じように大ジャンプしそれを見事阻止。
サメを出し惜しんでた前2作と違い、本作はかなりの頻度でサメが映ってきます。CGの質も良好なのでそれだけでも前2作よりもかなり上と言ってもいい出来栄え。
↑ジャンボジェットを仕留めそこなって怒り心頭のメガ・シャークに対しすかさず魚雷攻撃。
しかしメガ・シャークは体を傾かせてかわし、カウンターで体当たり攻撃。
何というスペクタクル、スリリングでダイナミックなアクションシーンであろうか。
↑メカ・シャークを指揮する米海軍提督。
本作は一見ただのおふざけコメディ映画のようでありながら、実のところ役者は驚くほどシリアスに誇り高き米国軍人を演じておられます。あくまでも「真剣に」バカなことをやっている。これには見習うべきところもあるのではないでしょうか?
下らないと思える仕事ほど、まじめに取り組めば何かが変わるかもしれない…そんな教訓めいたものすら感じます。
↑さわやか好青年風のAIが搭載されたメカ・シャークだったが、度重なる激しい戦闘で傷つき、AIが制御不能の暴走モードに突入。しかもこっそり搭載されていた「陸上モード」が起動してしまい、シドニーの街を蹂躙しまくる我らがメカ・シャーク。
海でしか活動しないメガ・シャークへの対抗兵器だったはずのメカ・シャークにどうしてまた陸上用モードなんてものが必要だったのか。
結局メガ・シャークそっちのけでメカ・シャークが一人で勝手に暴れるクライマックスという激しく歪んだ物語構成は本当にいかがなものか。
にも関わらず、映像的には意外とハデでリッチさすら感じさせるCGとエキストラの多用はどういう経緯を辿って実現されてしまったのか。
などと混乱しているうちに、いつも通り何となく爆発して映画は終了します。正にカオス。私がアメリカ人の行き過ぎたサメ信仰に何を求めるかと言えば、やはりそれです。こういう映画を観ていると、「実はサメって空想上の生物か何かなのでは?」というゲシュタルト崩壊にも似たような感覚に陥ってくることがあります。人がサメ映画にのめり込む理由とは、アメリカ人がサメ映画を作り続ける理由とは一体何なのか。62作品ものサメ映画についての記事を書いておきながら未だ五里霧中。
それはそれとして、本作は(サメ映画基準では)結構面白いのでまあまあオススメです。