製作:2017年南アフリカ・フランス
発売:アルバトロス
何かのフェスに行こうとヒッチハイクをしていたジェスとキャロライン。高級スポーツカーを走らせていたフレッドとトーマスの2人組に乗せてもらうことに成功。しかし、あるハプニングから車が崖下へ転落してしまう。重傷を負って車に閉じ込められたジェスたちは生還できるのか。
「
ロックダウン」とジャケが酷似しすぎてるのが気になりますが、それは置いといて…。
見た目は劇場公開できそうな雰囲気はあるものの、登場人物全員がドアホすぎてどうしようもないB級南アフリカ映画。
いや、今まで色んなバカ映画を浴びるほど観て来ましたけど、登場人物の知能指数が低いという方向性では本作はなかなか抜きん出たモノを持っています。そういう意味では同じようなジャケ絵の「ロックダウン」も相当なものでしたが、本作は登場人物4人(+3人)全員がバカを極めたような大ウツケ者揃いという点が実に優れて(?)います。
で、何がそんなにバカなのかという話ですが、
「音楽フェスに行きたいが、そこまでの足がない。ならばヒッチハイクで行こう」
…というところまでは良しとしましょう。
どこでやってるのか知りませんが、若い女性2人が見知らぬ野郎2人の車に乗ってしまうのはいかにも不用心ですが、そこまではまあ良しとしましょう。
で、車に乗っているうちにいい雰囲気になり、イチャイチャしてしまうのもまあ当人の勝手です。それなりのビッチなら行きずりの男と遊ぶこともあるでしょう。しかし、運転中の後部座席で最後まで致そうとする男はいかがなものか。しかもこの車、後で語られますが勝手に借りてるだけの車なのです。後で何事も無かったかのように返しておかなければタダでは済まない超高級車(BMW)なのです。しかも持ち主は明らかに反社会勢力的なお方。無断使用がバレたら殺されます。それを知っているのに無断で拝借してドライブに興じるばかりかヒッチハイクで乗せた女と後部座席でヤろうとし、運転手は驚いて事故ってしまい谷底へ落下してしまう…
どれだけ刹那的な生き方をしていればそんなバカを出来るのか?
全く想像も付きませんが、本作は谷底でひっくり返ったBMWから脱出しようともがくバカ4人組がさらなるオウンゴールを積み重ねていくザマをジックリネットリ見せてくれます。
と言っても車の中で身動きが取れない女の子2人がお互いを罵り合い責任をなすりつけ合う様とか、車の外には出れたけどさっさとトンズラするか女の子を助けるかで延々罵り合い責任をなすりつけ合う男2人の様を観ていてもあんまり楽しいとは思えません。思えませんが、責任をなすりつけ合う口論に関しては誰しも言い分がいちいち最もすぎて笑えます。4人全員等しく馬鹿で落ち度があるっていう。気の毒な巻き込まれ役などこの映画にはいません。
で、いよいよ車からガソリンが漏れてきたときに、なぜかうっかり火をつけてしまうくだりなんぞは意味が分からないほどバカすぎて「
ケージ・ダイブ」で救助者を意味なく焼き殺したシーンを思い出しました。こいつら全体的に「ケージ・ダイブ」の悪夢的アホ共と同レベルです。POVじゃないだけ「ケージ・ダイブ」よりはマシですが。
ほんで反社会的勢力(説明なし)の所有する超高級車だけあって怪しい札束がたんまり積み込んであり、発信機まで備え付けられていました。それで武装ヘリが彼らを追ってくるのですが、機関銃を乱射したかと思えば勝手に電線か何かに引っかかって墜落、炎上しちゃいます。バカを仕留めようとして自滅するバカ。これは何とも香ばしく焼き上げられたバカのミルフィーユ状態。
クライマックスは凄腕のヒットマンのような奴が襲ってくるのですが、体力万全で銃まで持ってるくせに瀕死の女の子1人と戦って討ち死にするクソ雑魚っぷりがたまらない。そこまでハンデがあって負ける意味が分からなすぎる。
そんでもってオチのギャグは漫☆画太郎のオマージュか何かです。多分。
というわけで、近ごろ頭を使いすぎている…たまには頭のネジを少々緩めたいなあ…などという気分の人にオススメです。