製作:2015年アメリカ
発売:アットエンタテイメント
物理学者のジムはワームホールで物質の時空移動を行う装置を開発した。しかし、商魂逞しくいけ好かない投資家から資金援助を打ち切られそうになり、実験もままならない苦境に陥っていた。そこに謎の女性アビーが現れ、投資家を説得。そんなアビーに好意を持ったジムだったが、実は彼女が投資家の手先だったと知り、ジムは自らワームホールの中へと飛び込むのであった…
先月レンタル開始の「
クワイエット・ボーイ」に何か別の映画の吹き替えデータが混入していた事件は記憶に新しいところですが、コメントで何の映画の吹き替えだったのか教えてもらえたのでせっかくだから借りてきました。
時間移動、並行宇宙、男女間の恋愛といったハードSF要素が複雑にミックスされた、実に難解な映画でした。しかもどれがメインの筋なのかよく分からない。個人的には、こういう一見ロジカルなSFに不確定要素としてよくねじ込まれる恋愛要素が鬱陶しくて仕方がありません。偉業を成し遂げる寸前の天才物理学者が、出会ったばかりの女にいちいち振り回されるなと言いたい。
↑物語導入、ワームホール生成機の実験訓練に勤しむジムと仲間たち。操作をうっかり誤ると、熱核爆発が起きたり、最悪の場合宇宙が崩壊する恐ろしい実験です。そんな下手したら全宇宙を巻き込むような実験を何の断りも無くどっかのボロいビルのフロアでやってる科学者たちってどうなんでしょう。エネルギー源もなんか放射性物質みたいですし。操作を誤らなくても危ない。
しかし、こういう細々とした貧乏くさい研究室で人知れず物凄い機械を発明してしまうことから始まる物語は結構好きです。
で、その物理学者ジムを虜にしてしまう魅惑の女アビーですが、実は投資家の巧妙な罠でワームホール生成装置の権利を奪うために差し向けられた罠でした。それを知ったジムは何を思ったかワームホールの入り口に自ら飛び込んで…という話になるわけですが、どっか異次元に飛んだのかと思いきや、やって来たのは1週間前の過去世界。彼が開発したのはワームホール生成装置というよりタイムマシンだったのだ…
なんて展開になり、過去の自分と出会わないようにしながら、投資家とアビーの陰謀を防ごうとしたりアビーと良い仲になろうとしたりと微妙によく分からん行動をとるジム。これまでの不自然なやりとりがこの未来ジムが暗躍していたせいだったという伏線回収は観ていて気持ちいいが、だから何だという気もします。ジムの目的がはっきりしないせいですかね。
同一世界に同一人物が2人存在している、これはただの時間移動ではなく並行世界ではないのか?
という疑問を否定しつつも、そうとしか思えない現象に事態はますます混迷を深め、そこに恋愛感情を絡められてはなおさら理解がしにくくなってきます。正直よく分からん。分からんけど、過去の自分と出会わないように立ち回りつつ謎を解こうと(?)奔走するジムの姿を眺める分にはまあそこそこ面白い映画だったかなとは思います。何というか、2時間後の自分を連れてきて宿題を手伝わせようとするドラえもんを思い出す話でした。
内容はそんな感じで悪くはないけどモヤッとする中途半端さですが、BGMは大変良かったですね。インストゥルメンタル・エレクトロニカと言うのか、ちょっと古臭い雰囲気もありますがこれはかなりツボでした。特に「Time Travel」という曲が良い。今後Ben lovettという名には注目していきたいところです。ところで観終わってすぐにサントラを探して購入したんですが、「シンクロニシティ」っていうタイトルのCDがあまりにも多すぎて探すのが結構面倒でした。一体何百枚あるのか。結局この映画も何がシンクロしてたのかも分からなかったし。
1. 観てしまったのですねwww
タイトルは『シンクロニシティ』じゃなく『パラドックス』の方が正しいんじゃないとツッコミいれたのだけはしっかり覚えていますが(笑)
因みに私は「シンクロニシティ」といえば、イギリスのロックバンド「ポリス」のアルバムを一番に思い出します。というかCDプレイ中です(笑)
Re:観てしまったのですねwww
これは物体Xさん、こんにちは。
そりゃあ宇宙が崩壊するような実験をして未来人がジャマしにくるような映画と聞いたら見ないわけにはいきませんよ。吹き替え間違いもアットエンタテイメントさんの巧妙な販促だったのかもしれません。偽クワイエットシリーズよりはだいぶ楽しめたので充分満足です。
ただ確かに2年も記憶していられるほどの内容ではありませんでしたね。しかしBGMが良かったのは収穫でした。
ポリスのシンクロニシティはアマゾンでも真っ先に出てきましたが、こんなマイナーなB級映画のサントラはだいぶ下に埋もれてました。わざわざサントラまで発売されてるとは思わなかったので見つけた時は驚きましたが。