製作:2019年アメリカ
発売:プライムウェーブ
太陽で大規模なコロナ質量放出が発生した影響で、アメリカで大地震・津波・雷・噴火などの大災害が次々と発生。それを予見していた科学者メレディスは、洞窟への避難を提案する。しかし彼女の夫と娘が逃げ遅れてしまう。
今月のプライムウェーブ新作。製作は例によってアサイラムです。
いつにも増して無難なタイトルの代わり映えしないディザスターパニック映画。 地球がうんたらとか言ってますが、実際に被害があるのはロサンゼルスのごく一部の地域だけです。
まあ「
ジオディザスター」や「
カリフォルニア・ディストラクション」などに比べればまだ良い出来なのではないでしょうか。
とはいえ、災害によって母&息子、父&娘と2チームに分断された家族が次々と襲い来る危機を乗り越えて合流したらなんとなく災害も収まってめでたしめでたし…
という雛型にちんまりと行儀よく収まった無難すぎる凡作でした。
誰もプライムウェーブ&アサイラムにそんな程度のものは求めていないんですがね。
災害モノは基本逃げ回る以外にどうしようもないし、映像的にもエメリッヒの「2012」の下位互換しか作りようがないからどうしても物足りない。 「ジオディザスター」ぐらいバカなことをやってくれればまだ見どころはあるが、コロナ質量放出とか言われても普通過ぎて困るんです。
残るは人間ドラマですが、本作の場合、意外にも「険悪だった家族の絆を取り戻す」っていういつものお約束はなくて最初から最後までずっと仲良し。余計ないがみ合いが無い分ストレスなく鑑賞できるという美点はあります。その分尖った部分も少ないのが問題ですが。
しかし当然、突っ込みどころが全くないというわけではありません。
↑災害で孤立してしまった父と娘。車は溶岩に飲み込まれ炎上してしまい、徒歩での避難を強いられることに。科学者がしきりに安全だとのたまう洞窟まで行くことが出来るのか。
それはいいが、いつものアサイラム的な裏山を歩いていると思いきや突然市街地になったり、また急に裏山へ行ったりと機動力がやけに高い。かと思えば、こんな倒木を渡るのに時間をかけて四苦八苦してみたりと実に場当たり的。そもそもここ渡る必要あるのか?
↑そんな父娘がやっとたどり着いた電話会社からモールス信号を発信し、それをものすごく都合よく米軍基地で受け取る人たち。さらにたまたま母と息子も居合わせております。解読も速すぎて笑う。
しかし、大噴火の危機はすぐ近くに迫っており…
↑なんと煮えたぎるマグマが壁を突き破って襲来!
マグマがこんな近くに押し寄せてくるまで全く気づかない米軍。熱くなかったのか? 噴火の音しなかった?
どうでもいいけどこのCGの質感、「グラディウス4」の流体金属ステージを思い出しました。何人に通じる話だか分かりませんが、もう少し分かりやすく言うとつまり前世紀並みのCGということです。
まあCGの出来はさておき、本作の主人公である科学者メレディスは序盤から一貫して「洞窟へ逃げるべき」と言っており、市長や米軍にもそう働きかけ、自分とその家族も洞窟へ避難しようと計画しています。メレディスとはぐれた夫チームが「CAVE」と書置きを残していたことからも洞窟の重要性は明らかでした。
にも関わらず、最後の最後まで誰も洞窟へ行くことなく終わってしまったっていう。これは真面目に観てたらかなり驚くところです。そこを蔑ろにするんだったら別に主人公を科学者にする必要なかったって話ですからね。そもそも洞窟に避難なんかして安全なのか?どんな洞窟だろう?と思ってちょっと楽しみにしてたらこの仕打ち。多少出来はマシでもやはりこういうところが安定のアサイラムクオリティでした。
1. 観てたら
Re:観てたら
…無駄にやる必要のないアスレチック遊びに興じてるのを見てると、そんな疑惑を抱く人がいてもおかしくないかもしれませんね。