製作:2019年アメリカ
配信:NETFLIX
どこぞの国の極秘研究施設で、研究員100名以上が突如消失するという事件が発生。大統領直々の指令でネイビーシールズっぽい4人組が現地へ向かうと、そこには段ボールで武装した謎のエイリアンがいた。
「VS ネイビーシールズ」という邦題のB級映画にはまずネイビーシールズが出てこない。
っていう法則があるんですが、本作は驚くべきことに一応ネイビーシールズが主役です。
これは一体どういうことなのか?というと、本作がネットフリックスオリジナル映画であることが原因かと思われます。つまり日本の配給会社とは異なる法則によって邦題が付けられているのです。(原題は「Alien Warfare」)
ネットフリックスオリジナル映画というのは、ネットフリックスが直々に製作している映画と、ネットフリックスが買い付けて独占配信している作品の2通りありますが、本作はおそらく後者です。なぜかと言うと、恐ろしくデキが悪いからです。今飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばしているネットフリックス様がわざわざこんなゴミクズを製作するわけがありますまい。
しかし、こんなものをわざわざ買い付けたというのも解せません。こんなものを「ネットフリックスオリジナル」と銘打って配信してしまうと、苦労して育ててきたネトフリオリジナルというブランド価値を大いに毀損してしまうのは避けられない。何か益があるとすれば、クソ映画マニアの需要を取り込めるということでしょうか。それって意外と大きかったりするんでしょうか。わからん。
さて「一応ネイビーシールズが主役」と言いましたが、何が一応なのかと言うと設定上はネイビーシールズを名乗っているが、中身が完全なる素人丸出しのヘッポコ軍人モドキということです。見た目も動きもショボイにも程がある…。特に黒人のメンバーはウェイトトレーニングしているプロテインマニアのくせに私より筋肉無いんですが。あんな弱そうな黒人兵士も珍しい。
ここは同じ低予算映画でも「アザーズ 捕食者」のようにプロフェッショナルな部隊がしっかり出てくる映画もあるわけで、手抜きと言われても仕方ない致命的欠点です。いや~これはコメディだからさ…っていう言い訳をしたそうな空気も何か腹立たしい。
そんなショボいネイビーシールズ(笑)と戦うことになるエイリアンは?
というと、黒く塗った段ボールを甲冑みたいに着込んだ人型4体でした。もうほんと目を覆わんばかりの低クオリティ。昭和の仮面ライダーの怪人以下。それどころか学芸会でももうちょっとマシなエイリアン作る人いますよ多分。
この点に関しても「
プレデター vs ネイビーシールズ」のロボプレデターに完全敗北しています。アレも大概ヒドかったのにそれ以下とは。いや、これはもう「
世界侵略:ワシントン決戦」よりもひどい。
一応目新しい点としてテレポート能力を持っているのですが、使い方が謎すぎます。閉鎖された研究所に入るのに苦心してるっぽいし、集中砲火を浴びてる時にその場から消えたり出たりするし、面白黒人と揉み合いになったらあっちゃこっちゃテレポートしまくるし、脈絡が無さ過ぎて考えるだけ無駄ですね。会話も何だか脈絡が無くてついていけないことが多々あったり。無理して小難しい言葉使わなくてもいいのに…。
「vs」と言う割には戦ってる感がないなあ、テレポートしてビーム撃てばこんな素人集団なんて瞬殺じゃんとか思ってたら、実はこのエイリアンも「
プレデター vs ネイビーシールズ」と同じでそもそも侵略に来たわけではなく別に地球に対して害意はなかったという話。またこのパターンか。凶悪エイリアンと米軍の戦闘が観たかった人がほとんどだろうに、どうしてこういう肩透かしばかり喰らわせようとするのか。ネイビーシールズ(米軍)は頭ごなしに武力を振るうだけの脳筋ではなく、分かりあうこともできるよ。っていう主張を込めてるんですかね。その前にまずもう少し軍人っぽく振舞える役者を連れてきてほしいんですが。
あと終わり方が謎すぎますね、エイリアンとお別れしたシーンで終わっとけば何も問題ないのに(あるけど)、その後のシーンは一体何のつもりなのか…まさか続編作ろうとしてるんじゃあるまいな…。
ということで、これは何でプライムウェーブからDVDが発売されなかったのか不思議でしょうがないくらいにプライムウェーブレーベルがふさわしいクソ映画でした。プライムウェーブが買い付ける映画なんて他の配給会社は見向きもしないだろうと思ってましたが、これからはネットフリックスと熾烈なクソ映画買い付け競争を強いられることになってしまうのでしょうか? 昔からのクソ映画マニアとしてはどちらかと言えばプライムウェーブに頑張ってほしい。ネットフリックスはあえてクソ映画まで取り込む必要はない。とそんなことにまで空想を巡らせてしまうクソ映画でした。まあネットフリックスなので会員の人は観ても損するのは時間だけで済みますが、あの中でも最下層の映画であるのは間違いないです。