製作:2015年アメリカ
発売:プライムウェーブ
大学で地震予知の研究をしている学者のモリー。ある日、自身で開発したシステムがM4クラスの地震予知を的中させる。研究の成功に喜んだのもつかの間、次に予知システムが示したのは「本日中にM12クラスの超巨大地震がマリブ沿岸部で発生する」というものだった…。
私はディザスター映画にはあまり興味が無かったのですが、自分も地震の被害にあってしまったということもありこれからはそういうのもボチボチ見ていこうかな…という気分になってきました。特に地震がテーマの映画は見逃さないようにしていこうかなと。まあ、現実とフィクションを混同するつもりはありません。それはそれ、これはこれ。
まずは手始めにドゥエイン・ジョンソン主演の超大作「カリフォルニア・ダウン」のモックバスターとしてアサイラムが製作し、プライムウェーブから発売しちゃった本作から。正直面白そうな気配が全くしないが、万が一ということもあるので一応チェックしました。
まず、崩壊するロサンゼルスのCGはそこまでひどくはないです。
「ジオディザスター」とかに比べれば全然観られる方だし、場面場面を単体で見ればそれなりにスリリングな状況を展開出来ていないこともない。イベントが詰まっていて水で薄めた引き伸ばし感もさほどしない。
ありがたいことに[災害+アサイラム]&PWという激ヤバ布陣にしては明らかにマシな方です。
↑地震学者モリーによるタブレット専用地震予知システム。2分48秒後にマグニチュード4.3の地震が起こることを示している。震度でいったら2~3なのかな?と思いましたがガラスが割れたり電柱が倒れて来たりするほどの被害が発生。けっこうデカイ。
しかしその程度では予知システムの完成を喜んでしまう程度には危機感に欠けるモリー。
自分のベンツが壊れたから教え子の車に乗せてもらおうとするが、くそボロいバンだと知って思い切り嫌な顔をするモリー。
これ以上の詳細は省きますが、コイツは主人公のくせに相当ムカつくキャラクターとなっております。
そして次にこのシステムが予知したのはマグニチュード12クラスのウルトラ巨大地震。
「これはまずい、ロス市内のホテルで働いてる娘を助けに行かなきゃ…!」
という話になります。
が、この設定には全くついてけないです。
ロサンゼルス市民に避難命令を出すように言っておきながら、自分は逆にロス市内へと向かおうとするのがちょっと。
娘って言ってもケバい大人だし…
避難命令が出てるんだからわざわざ助けに行かなくても自分で避難するだろ…としか。
実際、軍のバスが迎えに来てましたし。
そこはご都合主義で乗り損ねますが、もし乗れてたらモリー完全に無駄足。
そしてマグニチュード12の地震とはどんなものなのか?というと、
wikipediaによれば地球が真っ二つに割れた時クラスの地震だそうです。これは思ったよりだいぶ激しい地震ですなあ。ちなみにマグニチュード11でも、恐竜が絶滅した時の隕石衝突クラスの地震だとか。
カリフォルニアから脱出してどうなるものでもないですね。まずは地球外に脱出しないと。
↑モリーの予測した地震データを見て、驚愕する政府関係者(?)。
そりゃあこんな手書きの折れ線グラフを見せられれば驚愕もしますよ。縦軸と横軸が何を表してるのかもわからんし。単位すら書いてない。
でもなぜかこの手書き折れ線グラフによってロス市民は全員避難命令を出されるわけです。このまま右上に伸びて行くんじゃねえ?という想像だけで。
別にそれでもいいけど、せめてエクセルで印刷してほしかったな。手書きより楽だと思うし。
↑高速道路は混雑していて使えない。じゃあ動物園に行きましょう。
とは言ってないけど、なぜか動物園内を通ります。
すると、子供のカバをはねてしまい怒った母カバの襲撃に遭うというナイスな見せ場。
さすがサービス精神に溢れるアサイラム社製作。CGのクオリティにケチをつけるのはやめておきましょう。充分カバに見えるからいいんです。
ということで、当たり障りのないグルメ番組を1時間半見るよりはまだ楽しめなくもないかな?
程度のクオリティはありますので、暇を持て余しているひねくれ者は晩酌のお供に本作をセレクトしてみるというのもギリギリでアリではないでしょうか。
そうでない人は言われるまでもないでしょうが、素直に「カリフォルニア・ダウン」を見た方が良いかと思われます。