ゴリラ映画、もしくは怪獣映画として宣伝されている本作ですが、
個人的にはどちらにもあんまり興味が無く、
(アニマルパニックやモンスターパニックと怪獣映画は微妙に違う)
あくまでも
「超巨大なワニが暴れる」
という点に惹かれて劇場へ行ってきました。
なんせ劇場でまともな「ワニ映画」を鑑賞したことなどありませんから、
サメ映画よりもレアな存在と言えます。
ただ監督のブラッド・ペイトンはあの地味な「
ドクター・エクソシスト」を
撮った人ということで多少心配していました…が、全然問題ありませんでしたね。
そこそこの腕さえあれば、あとはとにかく金をかければド派手な映画は作れる!ということですかね。
そういう意味では
「ゴリラとオオカミとワニが超巨大化して暴れる」
なんてアホみたいな話の映画に1億ドル以上の製作費を注ぎ込んで
ブロックバスター映画に仕立て上げられることにまず驚きです。
まるでステーキと寿司とピザが一度に出てきたかのような実にアメリカらしい馬鹿馬鹿しさにあふれた痛快な娯楽大作でした。
さて本作は主演のドゥエイン・ジョンソンとゴリラの友情とか、
あとドゥエイン・ジョンソンとどっかの捜査官との友情とか、
それとドゥエイン・ジョンソンと遺伝子工学博士との友情とか、
少ないなりにも邪魔にならない程度に人間ドラマ的な要素が添えられています。
が、当然そんなものはどうでもよく。
私が注目するポイントはワニだけなのですが、
本作は案外ワニの出番を引っ張ります。
まず宇宙でなんやかやあってゴリラが巨大化して暴れまくり、
次にオオカミが巨大化して暴れまくり、
この2頭がシカゴに乗り込んできてさらに暴れまくるという
超スペクタクル映像の金のかけっぷりにはさすがに感動させられます。
が、ワニだけがなぜかなかなか出てこない。
1時間以上待たされたんじゃないか?
どうしてワニだけ仲間外れなんだ!
いいから早くワニを出せ!
…と、もどかしい気持ちでいっぱいになりましたが
さんざん引っ張った分、いよいよワニが姿を現したときの
「強敵感」が凄い。
ゴリラやオオカミよりも圧倒的にデカく、硬そうで、鋭い牙がビッシリ生えている超巨大ワニの登場に高まる鼓動を押さえきれません。
巨獣大乱闘というサブタイ通りこの3者+ドゥエインジョンソンのバトルロイヤル戦が大きな見どころとなっていますが、見た目通りにワニが強い。いやあまりにも強すぎる。
こ、このパワーバランスは…もしやワニはラスボス待遇か!?
…と思ったらマジでワニがラスボスでした。予想以上の好待遇に大興奮。
やはり本作は純然たる「ワニ映画」と考えても何ら問題は無いんじゃないでしょうか。
最終的にワニ退治が目的になるんだからワニ映画で間違いない。
都会に出てきてヘリや戦闘機や船や軍用車に喰らいつくワニを
劇場で鑑賞できるとは実に感無量です。ワニだっていつまでもサメに負けていられないという意地もあるでしょう。これをきっかけにもっとワニ映画も流行ってほしいものですね。無理か。
こんなモンスターが相手ではゴリラもオオカミも相手にならない!
ということでワニと戦うのは人類代表ドゥエイン・ジョンソン。
…この人異常なほど強そうに見えるんですよね。超人強度1000万パワーぐらいあるんじゃないか。腹を銃で撃たれても当然のようにノーダメージというトンデモ描写に違和感を持たれない俳優はこの人ぐらいでしょうし、
全長68.5mもあるワニと対決しても「何とか勝てそう」感を出せる俳優もまたこの人しかいないでしょうね。馬鹿馬鹿しさに説得力を持たせることが出来る素晴らしい人材だと思います。
ということで、その辺のC級ワニ映画が束になってもかないっこない超A級ワニ映画なので、
少しでもワニ映画に興味のある方は今すぐ劇場へ走るべきかと思います。
レイティングとかは無いので、つまりは人を喰い散らかすような残酷シーンも無い、という点だけが残念でしたが。ビルから落ちてきた人間をパクパクしたりしてくれたらなあ…惜しい。