では、まず邦画の何が最もいけないのかと言うと、
「長い」
という点に尽きます。邦画はどれもこれもとにかく長いイメージがあります。
最近の邦画の尺をいくつか見てみると、
「引っ越し大名」…120分
「劇場版おっさんずラブ」…114分
「アルキメデスの大戦」…130分
「新聞記者」…113分
「今日も嫌がらせ弁当」…106分
「ザ・ファブル」…123分
「旅の終わり世界の始まり」…120分
「町田君の世界」…120分
こうして見ると別にそこまで長くないだろうと感じる人もいるでしょう。しかし、私はストレスなく鑑賞できる映画の適正な尺は60~90分だと考えています。それ以上のはよほど面白そうじゃないと観る気が起きないし、鑑賞するにもかなりのエネルギーが要ります。邦画はどうしてこんなに長いのばっかりなんでしょうか。無駄を削ぎ落として100分以下に収めようという気が感じられないし、逆に長い方が大作感があって良いとか考えていそうです。みんながみんなカツ丼特盛を食べたいわけではないと思うのですが。
ちなみに「ザ・ファブル」は原作を読んでいるので見に行こうか悩みましたが、やっぱり長いのでやめました。
そしてもう一つ、観る気を削ぐ大きなポイントとして
「異様に画一的なポスター(ジャケット)デザイン」
があります。
どいつもこいつも驚くほど人の顔がこれでもかと大量に並べ立ててあります。
たぶん芸能事務所の力が強いからなんでしょうが、出演する役者全員の顔をとにかくぶち込まなければいけないという絶対的なルールがあるようです。そんな厳しい縛りでオリジナリティを出せるはずもなく、結果として全部同じような印象になってしまうのです。邦画のどれを見てもひたすら集合写真か証明写真の寄せ集め的なデザインのポスターばかりで非常にゲンナリします。こういうのを見かけても、「おっ!面白そうだな!観てみるか!」などという気分になるわけがないです。とにかく「あの人が出てるなら観よう」と思わせることだけにひたすら全力を出しており、役者で映画選びをする人以外には全く持って無意味、いや逆効果でしかないのです。
というのも、事務所の力にせよこれだけ人がいっぱい映っているということは、少なくともそれだけの登場人物がいるということには違いないからです。特に↑の「マスカレード・ホテル」や「七つの会議」など、観ている間に登場人物の顔と名前を一致させられる自信すらありません。というかこれ格闘ゲームのキャラクターセレクト画面に見えてきました。
つまり邦画は
「尺が長い」うえに「登場人物が多い」ことをアピールしているパターンが異常に多い。それだけ複雑な筋の大作なんだろうなと思わせられるんです。そういうのが好きな人はいいんでしょうが、どちらかと言えばシンプルで無駄のないものを好む私にとってはめんどくさすぎてまったく観る気が起きないというわけです。これが改善されれば邦画を観ることもあるでしょうが、今後数十年はこの傾向が続きそうな気がします。
ちなみにあの「ジョーズ・イン・ジャパン」ですら、
なんか下の方に微妙に余計な忖度が見て取れます。
とはいえ、これは邦画の中では例外的にかなり良い方です。
中身はともかく。