製作:2008年アメリカ
発売:ジェネオン
非行少年・少女たちの更生プログラムとしてゴミ拾い山登りキャンプ教室が行われていた。悪ガキの指導に難儀するボブ教官。しかもそこに脱走した凶悪殺人犯が紛れ込んでしまい、さらに血に飢えた巨大グリズリーやオオカミまでもが彼らを狙う。
私的な話ですが道北のくそド田舎へ引っ越すまであと3週間を切ってしまいました。荷物が多すぎてめんどくさすぎる。こんな映画を観ている暇があったら他にやることが一杯あるのですが、どうしてもついDVDに手が伸びてしまいます。…いや、まだ2週間以上のゆとりがあるから余裕ですかね。それに、道北のくそド田舎へ行ったら行ったで山奥の断崖絶壁にへばりついて行者にんにくを採ったり、山に登って笹ヤブに深く潜って根曲竹を採ったりしたい。田舎には田舎の楽しみ方があるのです。
ただ、そういう時に何が怖いかと言えばまず遭難、次にマダニ、そして熊との遭遇です。
我々は野生の熊と出会ってしまった時にどういう心構えで対峙し、どう対処すればいいのか。熊スプレーは高くて買えません。そこら辺を学ぶためにも、熊映画の鑑賞は決して無駄にはならないはずだと思われます。というわけで、さっそく熊映画を3つほどレンタルしてきました。
まずはこの「グリズリー・パーク」ですが、1時間35分という尺の中で、人間たちが熊の襲撃に気付くまで1時間20分ぐらいかかるというB級映画的には非常にありがちな偏った構成となっております。人間側のドラマも「不良たちの更生プログラム」と異常によくあるパターン。
しかし、その割にはかなり面白いです。特にラストがすごい。なんという驚愕の2重どんでん返し。ネタそのものは実にくだらないんですが、しっかり伏線を張っており見せ方も予想外。感心すると同時に大笑いしました。これは油断した。熊映画ランキングを作ったならトップを争うくらいの出来栄えと言えるでしょう。
↑襲ってくるのは熊だけでも充分なんですが、地味に殺人鬼も投入されております。しかし、殺人鬼は不良少年たちにはほとんど絡まず、真っ先に熊と対決。いくら凶悪犯でもこんなチンケなナイフでは熊に勝てるはずもなく即死。お前は何のために出てきたんだ?? と思ってしまいますが、しっかりオチに活用されており意外と無駄がない。
熊の出演時間がかなり少ないのに何がそんなによかったのか? と言えば、不良共と彼らを指導する教官のキャラが濃くて会話がちょっと面白いんです。ちょっと。なので、熊が出なくても言うほど退屈はしない。過去の犯罪歴の出し方などもオチに向けてわりと気を使って作られていると思います。
まさかあんなアホ全開なやりとりの裏にあれほどの深謀遠慮が巡らせてあろうとは誰も考えないでしょうね。スカンクをネコと間違えるバカ女の巨乳が本物か偽物か?なんて話題がここまで重要なファクターとして扱われたサスペンス(?)は他に例がない。なくていいけど。そして真相の見せ方が熊映画ならでは。正直シックスセンスより驚きました。
一般的な熊の対処法も教官がしっかり教えてくれますし、ゴア表現も安易にCGで済まさず手作り感にあふれておりスタッフの熱意が感じられてすごくいいです。
…なんだかほめ過ぎな気がしてきました。B級アニマルパニック好きには普通にオススメできますが、それ以外の人はあんまり期待して鑑賞してはいけないことだけは記しておきます。
↑殺人鬼や熊に飽き足らず、スカンクやオオカミの脅威までもが不良たちを襲う。熊もそうですが人形とかCGではなく実物なので非常に可愛いです。フクロウも出るし動物たちは一切痛い目に遭わないので動物好きの方にもオススメできます。