製作:2016年アメリカ・台湾・ベトナム
発売:わからん
ベトナムに住む兄のアレクサンダー・マーカス3世を訪ねてやってきた弟ボブ。屋台で鶏の足を食べようとしていたら、地元の子供にスマホをひったくられてしまう。子供を追いかけてジャングルに入った兄弟は、2人揃って地雷を踏んでしまい、その場から一歩も動けなくなってしまう。
プライムビデオで配信されているが、DVDは多分発売されていない映画です。最近こういうの多いですね。これからはDVDにするまでもないC級以下の映画は配信のみという形態になっていくのかもしれません。私としては、本作や「アメリカン・ビッグフット」みたいなのよりもまずマーク・ポロニアの「ランドシャーク」を早く配信してほしいんですよね。そこそこ需要があるはずだと思うんですが。
正直言って「ランドシャーク」に想いを馳せてしまうぐらい、本作はつまらないです。
なんせ2人揃って地雷を踏んだ兄弟がヒマそうに突っ立ってるだけの話なので…そんなので80分も持たせようというのはさすがに無理があります。
だいたい、「うっかり地雷を踏んでしまい、足を上げたら爆発するので動けない」というシチュエーションは珍しくありませんが、それが「二人同時に」というだけでこんなにもマヌケな絵面になるとは思いませんでした。いや正確には完全に同時ではありませんが、それならなおさら弟が踏んだ時点で兄貴もちょっとは足元に気を付けたらどうなんだと。お約束のように兄弟喧嘩が勃発しますが、弟がこの点を責めなかったのはいかにも不自然です。
まあ、踏んでしまったものは仕方がない。
助けがくるのかどうか分からないが、口喧嘩とか雑談しながら待つしかない。
が、映画としては何も起こらないのも困る。
ということで、わりと色んなものが襲ってきます。
①大便
地雷を踏んで動けない時にウンコがしたくなったらどうしたらいいのでしょうか?と言っても別に踏んだ足に体重をかけたまましゃがめばいいだけな気がしますが、ボブ(弟)は出した後に立ち上がれるかどうか自信が無いから一人では出来ないとか何とか泣き言を垂れます。軍人のくせに何言ってんだとしか思えません。そこに目をつぶったとしても、尻を拭かなかったのはいかがなものかと思う。
②アリンコ
アリンコにたかられてパニックを起こすボブ(弟)。軍人のくせに無害なアリに対していちいちパニクるなと言いたい。というか、映画的にはガンガン噛みついて来る凶暴なアリにした方が良かったのに。ウンコとかただのアリとか緊張感の欠片もないです。
③人喰いトラ
で、本作の目玉とも言える人喰いトラがようやく登場。しかもCGとか着ぐるみではなく本物のトラです。本物なので兄弟と同じ画面に映ることはないです。しかもほんの2~3秒映っただけですぐにどっかいってしまいます。ウンコして尻を拭かない人間など喰いたくなかったんでしょうね。
④毒蛇
いつまでも立ってるだけでは終わらないので、アレクサンダー・マーカス3世(兄)が毒蛇に噛まれてしまいます。助かるためには至急血清が必要というわけですね。しかし、トラと違って毒蛇は画面に映りもしません。いつのまにか噛まれてます。ちなみに兄はサメ恐怖症、弟はヘビ恐怖症という設定らしいんですが、なら弟がヘビに絡まれてパニクる展開を作れば良かったのに。
ただ、ここは陸だからサメに襲われることは無いよね、と安心している兄に弟が「シャークネードを観てないのか?」などと注意喚起する場面は良かった。陸に居てもサメは襲ってくるものです。とはいえシャークネードよりは「
シャークウィーク」を引き合いに出した方がいいんじゃないかと思いました。あの映画だと地雷を踏んでも素早く足を上げて逃げればセーフでしたからね。
オチは特に何のひねりもなかったんですが、やっぱり本作は未だに地雷が世界中に埋まってて現在も被害が出ている現状を訴えるための映画だったようです。そう言われると何だかケチがつけにくいんですが、あんまり地雷の脅威を感じられるような映画ではなかったような気がします。
クソ映画というほどひどくはないんですが、一番印象に残るのが排便シーンなのでやっぱりクソ映画の烙印を押したくなるというジレンマ。本作を観るヒマがあるならシャークネードかシャークウィークを観た方が良いかもしれません。